新日本プロレス「G1クライマックス」で3年ぶり2度目の優勝を狙う「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」の内藤哲也(34)が2日、史上初の春夏連覇と並行して“方舟救済役”に名乗りを上げた。内藤は4日福岡大会のBブロック公式戦で激突する中嶋勝彦(28=ノア)にリーグ戦途中棄権を進言。真夏の祭典に2人も派遣しているノアに対し「逆トランキーロ」勧告を突き付けた。

 前IWGPヘビー級王者として優勝候補に有力視される内藤は、ここまで3勝2敗で大混戦のBブロック首位タイにつけている。春の「NEW JAPAN CUP」に続いてG1も制すれば、史上初の春夏連覇達成となる。「現時点で2敗もしているのはお恥ずかしい話ですけど、それでもこの位置にいるという運も実力のうち。黙っててもG1の冠のほうから私に寄ってくるということ」と言い放った。

 4日の福岡大会で公式戦を控える外敵・中嶋とは、開幕直前の全選手会見(7月16日)でCHAOSとの共闘理由を問い詰めたところ「トランキーロ(焦るなよ)」と自身の決めゼリフで切り返されるという、とてもくだらない因縁がある。内藤は「私からしたらEVIL戦(7日、浜松)のウオーミングアップだけど、中嶋選手からしたら地元福岡のメーンで内藤と絡める。これ以上の舞台はないので頑張ってほしい」と上から目線で挑発した。

 さらに一度目をつけると、徹底的に弱点を突く粘着質な面を持つ内藤は「逆にここで何も見せれなかったら、トランキーロじゃいられないんじゃない? ノアの現状見てみなよ。2人もこっち来てる場合じゃないよ。ちょっと焦ったほうがいい」とバッサリ。中嶋と丸藤正道(36)の主力2選手をG1に派遣した途端、ノアは至宝のGHCヘビー級王座が再び鈴木軍の杉浦貴(46)に渡った。「別に優勝の可能性がなくなったら途中棄権してもらっても構わないしさ。これは親切で言ってるんだからね?」とうそぶく内藤は、中嶋に窮地のホームリング帰還を進言した。

 4年ぶりの他団体所属選手参戦は今夏のG1の目玉の一つでもあったが、内藤からすれば新日マットの主役はLIJだけで十分。自らの手で外敵を強制送還し、3年ぶりの頂点へ突き進む。