新日本プロレスの“ミスター”こと永田裕志(48)が5日、慶応大三田キャンパスで特別講師として教壇に立った。講義は大成功に終わるも、終了後に事件が…。なんと学生に紛れて授業を聴いていた“悪魔仮面”ケンドー・カシン(47)が、真夏の祭典「G1クライマックス」(18日、札幌で開幕)の出場権譲渡など無理難題を突き付けてきたのだ。

 緊張した表情で教壇に立った永田だが「プロレスに見る聖と俗」をテーマにした講義では、端正なマスクと流ちょうな話術で70人の学生を魅了した。「僕にとっての“聖”はジャンボ鶴田さんでした。自分にとって強さとは倒れないことではなく、何度倒れても立ち上がることです」。講義後には学生が記念撮影を求めて行列を作るほどの盛況ぶりだった。

 しかし行列が最後の一人になった瞬間、永田の表情から笑みが消えた。親友かつ天敵のカシンが立っていたからだ。悪魔仮面は同じ慶応大湘南藤沢キャンパスで体育講師を務めているため、問題なく教室に入れたと思われる。永田は「何しにここへ…」と大きく目を見開く。カシンは「お願いがあって来ました。G1の出場権を譲ってくれ。譲渡できるということを最近知りましたので」と不気味に頭を下げた。

 3日には小島聡(45)が天山広吉(45)へのG1出場権譲渡を表明。翌日には団体もこれを認めて猛牛の参戦が緊急決定した。嫌がらせに関しては機を見るに敏なカシンらしい要求だが、永田は困惑顔で「時事ネタを持ってくるなよ。やめてくれよ」と一蹴した。

 するとカシンはアッサリ話題を変えて「7月8日、困っています。永田君、助けてくれ」と続けた。同日は新木場1stRINGでパンディータとワンマッチ興行で対戦する。しかし敗戦の色が濃いパンダは各方面にセコンドを依頼。邪道・大仁田厚(58)や、NOSAWA論外(39)の東京愚連隊など多くのレスラーが助っ人に名乗りを上げているのだ。

 一方のカシンには常日ごろの言動から、セコンドに名乗り出る者など皆無。極度に狭い交友範囲の中、ミスターに救いを求めたわけだ。しかし永田は「あっ、確かその日は予定があったな。忘れたけどなんかあった。なんかあったはず。後で連絡するよ」と強引に会話を終了させ、大学関係者と食事に向かった。

 ポツリ残されたカシンは「手応えあり。永田君の“聖”は大仁田厚だった」と意味不明の言葉を残しキャンパスを後にした。果たして孤立無援の悪魔仮面に“救世主”は現れるのか。