6月19日の新日本プロレス大阪城ホール大会でV2戦を控えるIWGPインターコンチネンタル王者ケニー・オメガ(32)が24日、シリーズを負傷欠場中の挑戦者・棚橋弘至(39)を糾弾した。21日の開幕戦、後楽園大会で負傷させた張本人にもかかわらず開き直るどころか、逆に棚橋を「プロ失格」と断罪。ついには挑戦辞退とトップ戦線からの撤退まで勧告した。

 ケニーは後楽園決戦の試合後に、リング上でラダー(脚立)やイスを駆使して棚橋を暴行。左肩剥離骨折と二頭筋断裂を負わせ、今シリーズ全戦欠場に追い込んだ。現段階で大阪城決戦のタイトルマッチに変更はないが、回復が間に合うかどうかは微妙な状況だ。

 まさに弁明の余地なしの暴挙。しかし、ケニーは悪びれるどころか、さらに追い打ちの言葉を並べ立てた。

「肩は狙ったけど、ケガをさせるつもりなんかなかったよ。正直、あまりに棚橋が弱すぎてビックリしているし、ガッカリしている。もっと牛乳を飲んだほうがいい。そしてそんなに弱いなら挑戦しないほうがいい」

 大阪城決戦ではIC王座戦初のラダーマッチルールが採用される。ケニーは「ラダーの上で戦ったら、高いところから落ちるリスクも増える。もっとひどいことが起きるかもしれない。だからビビって休んだんじゃないか? もしタイトルマッチができないなら、NEVER無差別級6人タッグ王座の防衛戦でもやろうかな」と挑発。その6人タッグ王座のパートナーのマット・ジャクソン、ニック・ジャクソンも今シリーズを負傷欠場しているのだが…。

 ただ、棚橋は3月から肩に不安を抱えていた。弱点を狙うのは戦いの常道で、肩が壊れた状態でリングに上がった棚橋のほうにこそ非があるというのがケニーの主張だ。

「私以上のプロフェッショナルはいない。その私と戦ってケガをしたのなら、棚橋はプロ失格ということになるね。本当のプロのスケジュールをこなせないなら『ウイークエンド・ウォリアー』(週末だけ試合をするインディレスラーの俗称)になったほうがいい」

 IC王者は上半期最大のビッグマッチ前に離脱したエースを徹底的に糾弾。暗雲が垂れ込める大阪城決戦に、果たして太陽は昇ることができるのか――。