ノア28日のエディオンアリーナ大阪大会でGHCタッグ王座取りに臨む矢野通(37=新日本プロレス)が13日、丸藤正道(36)との異色タッグによる仰天プランを明かした。「グローバルタッグリーグ戦」制覇からベルト奪取で広がる野望とは――。

 急造タッグのハンディをものともせずリーグ戦を制した矢野組は、大阪決戦でGHCタッグ王者のランス・アーチャー、デイビーボーイ・スミスjr.組に挑戦する。かつて窃盗行為を繰り返したベルトを正攻法で取りに行く姿は似合わないが、ノアの副社長でもあるパートナー・丸藤からの信頼は裏切れない。

 ともあれクセ者と天才の異色コンビの実力は本物で、矢野自身も手応えを感じている。「リーグ戦優勝からベルトも取ったら、今以上にカネになるチームになるよね。その辺の嗅覚が新日本にあれば(オファーを)言ってくるかもしれないし」と、ノアのタッグ戦線制圧からの新日プロ出陣も視野に入れた。

 変幻自在のネットワークを持つ矢野の相棒は丸藤だけではない。6月18日の鈴木軍興行(後楽園)では桜庭和志(46)まで加えたトリオも結成する。「桜庭さんまで入ってきたらますます面白いだろ? うまくいけば(NEVER無差別級)6人タッグのベルトもあり得るんじゃないの、これ」と、不敵な笑みを浮かべた。

 リーグ戦でこそ方舟の救世主のような役割を担った矢野だが「ノアを助けるつもりはない」とうそぶく。その発想は自由…というか自分本位で面白そうなことを無責任に考えているだけだ。「まあ、もともと計画性を持って動いているわけじゃないし。まずは精査。精査が大事。いろいろ精査してから次のことを考えたい」と、壮大なプランを掲げた割に最後はかなり強力な逃げ道を作っていたのはこの男らしい。ともあれノアのタッグ戦線で躍進する矢野の動きから、目が離せなくなってきた。