新日本プロレスのNEVER無差別級王者・永田裕志(48)が12日、新政権の公約を掲げた。王座の概念と真逆を進む48歳の新王者は、6月19日大阪城ホール大会で柴田勝頼(36)とのV1戦に臨む。見事に「窓際族」からの脱却に成功した永田は、あえて前王者とのダイレクトリマッチを提案した真意と今後の野望を明かした。

 永田は3日の福岡大会で柴田を破り、実に8年7か月ぶりに新日プロのシングル王座を戴冠した。会心の復活劇により、大阪城決戦には王者としてV1戦に臨むことが決定した。

「東京ドームでは2年連続、去年の大阪城も(自分の試合は)第0試合だよ? これぞ窓際からの復活。力があるのに窓際に追いやられている全国の同世代の人間に夢を与えたいね、へっへへ」と、熟年王者としての使命に燃えている。本来は「若手の登竜門」として設立されたはずのNEVER王座が、よもやアラフィフの逆襲を体現する日が来るとは…。

 挑戦者には自ら前王者の柴田を指名した。「楽な相手を指名したって仕方ない。某ロス・インディオス(注=正しくはロス・インゴベルナブレス)の総大将とは覚悟が違うわけですよ」と、キャプテン・ニュージャパンとの防衛戦を熱望するIWGPヘビー級王者・内藤哲也(33)をけん制しつつ、あえて強敵とのダイレクトリマッチを要望した理由を明かした。

「どうせリマッチ権もあるし、戦いの中身が良かった。死語となりつつあるストロングスタイルを復活させるというかね。今は3つのベルトがあってIWGPの理念が分散している。(王座戦で)乱入とか多いから100%支持できない層がたんまりいるよね」

 永田がもくろむのは新日プロで薄れつつある「ストロングスタイル」の復権。その意味でも打撃、グラウンド両面でかみ合う柴田との戦いを1度きりで終わらせてしまうのは惜しいという。

「キング・オブ・ストロングスタイル」を名乗った中邑真輔はWWEに移籍したが、永田は「向こうでは中邑以外は体現できないじゃん。今こそ新日本プロレスがそれを見せるときだと思う」とキッパリ。崇高なる野望を胸に、ミスターがNEVER長期政権を担う。