大日本プロレスのBJW認定世界ストロングヘビー級王者・岡林裕二(33)が29日、石川修司(40)とのV3戦(5月5日、横浜文化体育館)へ必勝の十字架を背負った。大日本最強を決めるリーグ戦「一騎当千」優勝を逃したことで落ち込んでいたが、ここにきて一気に回復。性豪をよみがえらせたのは、歴史と伝統を誇る全日本プロレスの“象徴”だった。

 石川とのV3戦が6日後に迫った岡林は「一騎当千を2連覇している強敵。昨年コテンパンにやられているし。でもその時から絶対にこの男を倒そうと思ってた」と表情を引き締めた。

 昨年2月2日の後楽園大会では当時の王者だった石川に挑戦するも、完敗。それ以上に悔しい思いをしたのが、10日に優勝決定戦(札幌)が行われた一騎当千だ。王者として臨みながらも2勝3敗に終わり、決勝トーナメントに進めなかった。あまりのふがいなさにショックは大きかったが、ここにきて発奮材料があった。

「関本(大介)さんがチャンピオン・カーニバル(CC)で優勝した。うれしいなと思う半面、悔しさもありました。一歩どころか、十歩も先に行ってしまったなと。だから俺も次のタイトルマッチをモノにしないといけない」。関本も同じく一騎当千では決勝トーナメント進出を逃したが、直後の全日本プロレス春の祭典で殊勲の初制覇を果たした。

 しかも26日には、CCの優勝トロフィーが横浜市の大日本道場に運ばれてきた。小学生時代から元3冠王者、故スティーブ・ウィリアムスさんらの活躍に熱狂していた岡林にとっては憧れの象徴で、真っ先に記念写真を撮ったという。「トレーニングにも力が入りました。これ以来、いつもの倍ぐらいやっている」。これを手中にした関本の姿を思い浮かべることで、反骨心も戻った。

 この日の後楽園大会では、全日本の秋山準社長(46)とタッグ対決。

 容赦なく重いチョップを叩き込むと、秋山のエルボーにも真正面から耐えてみせた。「火がつきましたから、ベルトは必ず防衛します」。誓いを新たにした性豪が5・5決戦へ一直線だ。