20日の新団体「王道」旗揚げ戦(東京・後楽園ホール=東京スポーツ新聞社後援)が邪道・大仁田厚(58)に“ジャック”された。まずは大仁田率いる超戦闘プロレスFMWのパンディータと「はぐれIGF軍団」のケンドー・カシン(47)の間にまさかの遺恨が勃発。さらに保坂秀樹(44)が電流爆破での対決を求める邪道からの親書を曙に手渡した。セミファイナルでもTARU(51)が大仁田潰しを宣言。邪道本人は姿を見せなかったが、その影がちらつく大会となった。

 第3試合の「はぐれIGF軍団」カシンA、黒覆面A組VS井上雅央、NOSAWA論外組でのことだ。FMWの保坂とパンディータが乱入。目的は大仁田から託された本格開戦を求める親書をカシンに届けるためだった。

 保坂は親書を手渡すと、井上、NOSAWA、パンディータとともにカシンを痛めつけた。カシンはそんな中、なぜかパンディータにだけ執拗に反撃。カシンは「親書は読まないで捨てたが、次(27日のFMW)の後楽園は行く。本格開戦だ。パンディータは許せない。もう、大仁田どうこうじゃない。パンディータ、待ってろ。パンディータが出る第1試合に乱入する。パンディータとのシングルマッチを要求する」とあきれるほどパンディータを連呼した。

 さらに、メーン終了後には勝利の美酒に酔いしれる曙に保坂が「うちの大仁田からなんですけど、受け取ってもらえますか」とまた親書を手渡す。内容は王道マットで元横綱との電流爆破マッチ開催を求めるもので、曙は「これから考えます。浜ちゃん、どうする?」と話し、浜亮太は「僕がやったら焼き豚になっちゃいます」と苦笑いするしかなった。

 おまけに、セミに出場したTARUも大仁田を挑発。15日の超花火プロレス熊本大会で大仁田との爆破王タイトルマッチが予定されたが、熊本地震の影響で中止に。その上、5月15日青森大会で大仁田とザ・グレート・サスケとの同タイトルマッチが組まれた。これに対して「オレと流れたのにサスケとやるのは筋が通らねえ。認めねえ。乱入して試合を壊してやる」と大激怒だ。

 王道は全6試合中3試合もその場にいない大仁田に“持っていかれた”格好だ。故ジャイアント馬場さんの付け人を務めた邪道にこのまま侵食されるのか。