【テキサス州ダラス3日(日本時間4日)発】世界最大のプロレスの祭典、WWE「レッスルマニア32」が当地のAT&Tスタジアムで開催され、史上最多10万1763人の大観衆を熱狂させた。メーンではローマン・レインズ(30)が王者トリプルH(46)を撃破し、WWE世界ヘビー級王座奪還に成功した。

 レインズはこの1年、トリプルH&ステファニー・マクマホンの極悪権力者夫妻と激しい抗争を繰り広げてきた。WWEタイトルは2度獲得したが、夫妻の策略によって奪われ新エース就任には至っていない。祭典での王座戦は権力者夫妻と文字通りの決着戦だ。

 レインズは得意のパワーファイトを全開。サモアンドロップ、ジャンピングラリアートから場外でのスピアーで王者をバリケードに叩きつけた。ところが、このときの衝撃で左腕を痛めてしまう。トリプルHは“知的な暗殺者”の異名通り、左腕狙いの攻撃。セコンドのステファニーもレフェリーをけん制して巧みにアシストし、レインズを追い込んだ。

 だが、レインズはうるさいステファニーにスピアー一発。妻を襲撃され怒りのトリプルHはペディグリーで逆襲すると、これまたお怒りのステファニーからハンマーを受け取った。得意の凶器攻撃で、レインズの前途を断つ気なのか? しかし、気づいたレインズは電光石火のスーパーマンパンチ2連発! さらにハンマーで殴りかかってきた王者にドンピシャのタイミングでスピアー発射だ。見事に決まって3カウントを奪取。3度目の頂点王座に輝いた。

 昨年の祭典では王座奪取に失敗。1年かけてリベンジに成功したレインズは、これでWWE新エースの座も手にした。まさに「ローマン帝国」の始まりとなった。