復帰戦激勝の飯伏 号泣の裏に隠された引退騒動

2016年03月22日 16時00分

試合後、飯伏(左)はDDT・高木社長の手を握り号泣
試合後、飯伏(左)はDDT・高木社長の手を握り号泣

 DDT21日の東京・両国国技館大会で飯伏幸太(33=飯伏プロレス研究所)が約5か月ぶりのリング復帰を果たした。昨年10月からの長期欠場を経て、2月末でDDTと新日本プロレスを退団。再出発となったフリー初戦を制し、試合後のリング上で号泣した。その涙の裏に隠された思いとは――。

 

 約5か月ぶりの復帰戦はDDTお家芸のハチャメチャマッチ。伊橋剛太と組み高木三四郎、っ葛西純組、KENSO、中澤マイケル組とのエニウェアフォール3WAYタッグマッチに出場したが、飯伏は中澤をパイルドライバーで国技館の便器に突き刺すという荒技を見せた。さらに入場口の上部約4メートルの高さからムーンサルト弾を放つなど華麗な空中殺法も健在。最後はフェニックススプラッシュで中澤から3カウントを奪った。

 

 試合後のリング上では、そんな破天荒な姿から一転して大粒の涙を流した。それだけ昨年10月からの長期欠場は苦しい時間だった。2団体での活動は肉体的な負担があまりに大きかった。それぞれのスケジュールがあるため、両団体の板挟みのような状態も続いた。また器用にこなせばこなすほど、どちらの団体にも居場所が見いだせないような気持ちになり、精神的な重圧が増した。

 

 さらに頸椎椎間板ヘルニアが決定打となり、ついに欠場期間に突入。この間、飯伏は昨年11月の欠場発表会見を含め全くと言っていいほど公の場に現れなかった。表に出られない理由があったからだ。実は会見前の10月末、DDTに「引退」を申し出ていた。「あの時は本当にプロレスのことを考えられなかった。潰れたんです。(このまま続けると)一番大好きなプロレスが嫌いになったり、汚すことになるなと思って。もうできない。引退するしかないって」

 

 極限まで追い詰められての申し出だけに、さすがにその場では受理されなかった。その代わり飯伏には治療とともにプロレスから離れ、再び向き合うまでの時間が与えられた。そうして導き出された結論が、フリーとしての再スタートだった。

 

 涙を拭いマイクを握った飯伏は「これからもっともっとプロレス界を面白くして、DDTに帰ってきます」と宣言。この言葉こそが再び飯伏がリングに帰ってきたという証しだ。4月には米国での試合も控えるが、その後の活動は未定。新たな旅を始めるゴールデンスターから目が離せない。

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