元横綱曙(46)が29日、新団体「王道」の旗揚げ戦を4月20日に東京・後楽園ホールで開催すると正式に表明した。気になるメーンは「このメンバーなら文句なしにド迫力の戦いができる」(曙)という、マット界を代表する精鋭メンバーによる6人タッグ戦。新たな船出に燃える元横綱は、カード編成の意図と今後の展望について本紙に激白した。

「右下腿蜂窩織炎(ほうかしきえん)」と「右足底皮膚潰瘍」で入院していた曙は、2月12日に退院。医師からは「2週間は安静に」とお達しが出ていたそうだが、早くも退院翌日からトレーニングを再開した。

「だいぶ元に戻っていますけど、試合をしないとどんな状態か分からない。いい状態を1年を通してキープしないと」と急ピッチで、復帰戦となる6日のゼロワン後楽園大会に向けて仕上げている。

 4月には自身が率いる新団体「王道」の旗揚げ戦が控える。欠場中も精力的に準備活動をこなした結果、大会概要が決まった。4月20日にプロレスの聖地・後楽園ホールで、バラエティーに富んだ全6試合を予定。「興行をやるのは初めてだし、カードを組むのも未経験だった。まわりの意見を聞きながら普段見られないカードというのを一番意識して組みました」と話すメーンは6人タッグ戦で、曙が浜亮太(36=W―1)、太陽ケア(40=王道)と組んで田中将斗(43=ゼロワン)、関本大介(35=大日本プロレス)、岡林裕二(33=同)組と対戦する。

 浜とはかつてアジアタッグ王座を巻き、ケアとは世界タッグ王者として君臨した仲。また関本、岡林とは2人の若手時代に対戦。今やメーンイベンターとなった“大日本2トップ”との再会を心待ちにしている。一方で、マット界を代表する激しい試合をする3人が相手だけに「下手したら、旗揚げで王道がいかれてしまうかも。俺の引退試合になるかな…」との不安も隠しきれなかった。

 4・20大会を皮切りに年内は4大会を予定している。「ここにはベルトの争いがないから、分かりやすいと思う。新しいものもいいけど、居場所がなくなったオールドファンがいると思うんですよ。見せたいのはプロレスの原点。昔のような分かりやすいことをやれば、オールドファンも戻ってくると思う」。元横綱が追い求めてきた理想のリングを具現化する。