26日の超戦闘プロレスFMW東京・後楽園ホール大会で行われたFMW認定世界ストリートファイト6人タッグ選手権で、邪道・大仁田厚(58)が1か月ぶりに王座を奪還。一方で、新たな戦いの火ぶたも切られた。狙い通り因縁のUWFとの全面対抗戦が決定したほか、もう一つまさかまさかの展開が…。邪道がこれまで幾度となく対戦を要求してきたIGF総帥・アントニオ猪木氏(73=参議院議員)率いる「猪木軍」との対戦が急浮上したのだ!

 大仁田は保坂秀樹、ショーン・ギネスとFMW軍を結成し、王者のW★INGモンスター軍(雷神矢口、NOSAWA論外、サブゥー組)に挑んだ。団体の存続がかかった一戦で底力を発揮した大仁田はNOSAWAにサンダーファイヤーパワーボム5連発を浴びせると、毒霧からのラリアートで矢口を沈めた。

 会場も1800人満員に埋まったことで、W★ING軍からの「FMW軍が負けるか、満員にならなかったら解散」との条件をクリア。晴れて団体存続が決まったが、ハッピーエンドでは終わらない。試合後に大仁田が髙山善廣(49)と長井満也(47)から襲撃されたのだ。

 実は試合前に会場を訪れた長井が入場口を顔パスで通ろうとした際に、FMWの山近義幸オーナー(54)から「チケット持っていますか?」と対応される一幕があった。1988年12月22日の第2次UWFの大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)大会では、大仁田が同じ言葉で門前払いされた歴史がある。

 当時の因縁からUWFを次の標的にしていた矢先にUの流れをくむ男たちから襲われたことで、大仁田は「俺とやりたきゃ、船木(誠勝)も連れて来い!」と返答。4月27日の後楽園大会で「FMW対UWF」の全面対抗戦が行われることが決定した。

 さらに山近氏は「これまで実現できなかったことをやらせてあげたい。その一つがUWFですし、猪木さんとの対戦も実現していない。大仁田さんの意向も聞きながら交渉に入りたい」と明らかにした。

 UWF以上に猪木氏との因縁は深い。対戦を実現させるため何度も大みそかの格闘技イベントを訪れたが、猪木氏から返答を得ることはできなかった。FMWでは今後、闘魂を継承する“遺伝子”たちとの対抗戦実現を目指す方針だ。UWFに猪木軍、58歳の邪道に過酷なリベンジロードが用意された。