ブライアンWWE引退に中邑ショック「言葉にならない喪失感」

2016年02月10日 16時00分

中邑もショック

【ワシントン州シアトル8日(日本時間9日)発】WWEのロウ大会(キー・アリーナ)で、元WWE世界ヘビー級王者のダニエル・ブライアン(34)が現役引退を発表した。「イエス!男」は小兵ながらガッツあふれるファイトで世界最大プロレス団体の頂点に立ったが、故障には勝てずリングを去ることになった。新日本プロレスを退団し、WWEとの契約のため米国に滞在する中邑真輔(35)は対戦を熱望してきた旧友の引退を受け、本紙にコメントを寄せた。

 

 この日の大会前に、ブライアンはツイッターで「メディカルな理由のため引退する」と表明。注目が集まったロウでは、大会の最後にリングに上がった。観衆がスタンディングオベーションで迎えるなか、ブライアンは涙ぐみながら引退を決意した理由を明かした。

 

「18歳からプロレスをしてきた。初めの5か月で3回脳振とうになり、その後も時々。16年の間に脳振とうが積み重なり、ついに『もうレスリングをしてはいけない』と言われた。脳や神経の検査をたくさん受けてクリアして、またトレーニングを続けていつでも戻れるようにやってきたけれど、1週間半前の検査結果で脳が思ったよりも悪い状態だと分かった」

 

 昨年4月に脳振とうを起こしたとされるブライアンは、その後欠場を続けた。選手に厳格なメディカルチェックを義務づけるWWEは、特に脳振とうを起こしたレスラーを徹底管理している。ブライアンは一昨年にも首の負傷で長期欠場。肉体にダメージが蓄積しており、ついにドクターストップがかかったようだ。

 

 ブライアンは改めて引退することを明言すると、ファンや元相棒のケインらに感謝の言葉を述べた。最後は観衆と一緒に「イエス! イエス!」と連呼し、妊娠中の妻ブリー・ベラら家族と抱き合ってリングに別れを告げた。

 

 米国のインディ団体でデビューしたブライアンは新日本プロレスのLA道場でトレーニングを積み、新日プロやノアなど日本マットでも活躍。IWGPジュニアタッグ王座やGHCジュニア王座を獲得した。2010年にデビューしたWWEでは最高峰王座を3度獲得するなど、ジョン・シナ(38)に代わるエースにまで上り詰めた。「イエス! イエス!」と両手の人さし指を何度も突き上げるパフォーマンスで人気を博したが、小兵ゆえにケガも多かった。

 

 一方、米国滞在中の中邑にはショッキングな事態となった。中邑は米国出発前の本紙インタビューで、WWEで興味のある選手としてブライアンの名を挙げている。LA道場時代から旧知の仲で、かねて対戦エールを送り合ってきたからだ。

 

 中邑は「言葉にならない喪失感、(WWE入りの)目的のひとつだったので。でも一番悔しいのはブライアン本人。落ち着いたら一緒に飯でも行きたいね」とコメント。中邑にとっても、世界のプロレス界にとっても、あまりに残念で惜しまれる引退となった。