新日本プロレス11日のエディオンアリーナ大阪大会でIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(28)に挑戦する後藤洋央紀(36)が4日、レインメーカーのIWGP戦線追放を予告した。連日の王者襲撃でいつの間にかブーイングを独占している荒武者だが、雑音は無視。昨年保持していたIWGPインターコンチネンタル王座を巡り、散々コケにされたオカダへの報復を誓った。

 大阪冬の陣で王座奪還を狙う後藤は、コメントブースに乱入しての“長渕キック”を皮切りに連日王者を襲撃。本来はヒールユニットであるCHAOS所属のオカダがエースの立場を築いているため、このシリーズは本隊所属の後藤がブーイングを独占するという妙な逆転現象が生じている…。

 だが後藤はそんな逆風など気にしない。人が変わったかのようななりふり構わない手段も、過去7度の挑戦全部で失敗している危機感の表れだ。「俺ももう36歳。中邑だって(年齢的に)最後のチャンスということでしょう。ここで失敗すれば後はない。ブーイング? やればいいじゃないですか。俺は俺のためにやってるんで」と2日にWWEと契約するために渡米した中邑真輔(35)の名前を挙げ、執念にも似た思いを明かした。

 オカダには散々コケにされた怒りもある。昨年5月のIC王座奪取後、IWGP王座との統一戦を提唱。昨夏のG1公式戦でオカダを撃破してその機運が高まりながらも、9月に中邑に敗れIC王座を失い実現には至らなかった。にもかかわらず今回オカダが挑戦を受諾したのは、肝心のIWGP戦前に後藤が王座から陥落したことへの皮肉でしかなかった。

 怒る後藤は「無視し続けたのにあそこで持ってくるって、俺をバカにしてるんでしょうけど。ああ言ったからには、俺がIWGP王者になったら、ICベルトを取ってこない限りオカダのIWGP挑戦は認めない。前王者のリマッチ権とやらも認めないですよ」と断言。ベルトを奪ってオカダをIWGP戦線から追放し、かつての絶対王者・中邑が去った後のIC戦線出撃を命じるプランを明かした。

 この日の福島・いわき大会では6人タッグ戦でオカダと対戦。昇龍結界で外道を仕留めた後もオカダを急襲し、悲願のIWGP奪取へ闘志を燃やした。七転び八起きか、それとも七転八倒か。荒武者が大阪で一世一代の大勝負に挑む。