プロレスの祖・力道山が眠る東京・池上本門寺で3日、恒例の「節分追儺式(ついなしき)」が開催され、今年もトップレスラーとOBが多数集結。昨年11月15日に引退したミスタープロレスこと天龍源一郎(66)は、タレント兼女子プロレスラーの赤井沙希(29)に仰天エールを送った。

 豪華レスラー陣で唯一の20代として花を添えた赤井は「豆まきをするのは初めてだったんですけど楽しかったです! 皆さんに『肩が痛くなるよ』って言われてたんですが、全然痛くならなくて『ああ、私も(一般人より丈夫な)レスラーの部類なんだ…』って思いました」とご満悦だった。

 昨年8月のDDT両国大会で共闘し「プロレス界の父」と慕う天龍との再会も刺激になった。天龍からは「レスラーとしての素質はズバぬけているけど、きれいにまとまろうとするからいけない」と改めて高い評価とともにエール。「電流爆破くらい道を外れたことをやったほうがいい。横道にそれる経験は若い時に積んだほうがいいんだ」と、まさかの出撃指令まで飛んだ。

 控室では天龍の気の利いたジョークを何度となく聞き逃し周囲をヒヤヒヤさせた赤井だが、貴重なアドバイスは心に刻んでいた。「試合で組んで以来、自分がふがいない時は『これではまた天龍さんにどつかれる…』って思うようになってます。DDTにもデスマッチはいっぱいありますし、『枠をつくるな』っていうお言葉はしっかり受け止めたいです」と真摯な表情。前日2日に66歳の誕生日を迎えた天龍へのプレゼント持参で駆けつける抜け目のなさもあり“孝行娘”の面目を保った。

 さらに初対面の小橋建太(48)とも意気投合し話し込む場面も。小橋が帰る際にあわてて立ち上がりあいさつし、直前に食べていたエビのシッポを吐き出す…というタレントとしてあるまじき醜態をさらしつつも「今後どうしようって悩む部分もあるなかで『君には未来がある』って言ってもらえて。自分で限界を決めちゃダメなんだなって思いました」と、笑顔を見せた。

 現役時代に本紙紙上で数々の伝説的特訓を残してきた小橋同様、赤井も天龍との共闘直前に「ガラガラ声」でおなじみの本間朋晃(39)をコーチ役に「聞き取り特訓」を敢行するなど特訓に情熱を持っている。「勝手にですけど、継承させていただいてると思ってますので…。いつか小橋さんと一緒に特訓したいです!」とラブコールを送った。

 よほど居心地が良かったのか、レスラー控室に最後の一人になるまで居残り、すしをパクつくだけパクついて帰った赤井。ミスタープロレスと鉄人の2大巨頭からの金言を受け、実り多き追儺式となった。