新日ラストマッチ終えた中邑“あとは任せた”飯伏と密会

2016年02月01日 16時00分

飯伏(右)に日本マット界の未来を託した中邑

 新日本プロレスの中邑真輔(35)が31日、日本マット界にラストメッセージを送った。30日の東京・後楽園ホール大会で涙の最終戦を終えた中邑は、米国WWEへ挑戦する。棚橋弘至(39)、オカダ・カズチカ(28)に「あとは任せたよ」と日本プロレス界の未来を託したが、その思いを伝承したい人間がもう一人いる。長期欠場中の飯伏幸太(33=新日本・DDT)だ。数々のベストバウトを繰り広げたライバルとの“密会”を本紙が独占キャッチした。

 

 聖地・後楽園でのラストマッチで中邑は、万感のボマイェでチームの勝利をアシスト。セルリアンブルーのマットに最後の雄姿を刻み込んだ。

 

 新たなステージとなるWWEに向かう中邑は、13年間戦い続けた新日プロについて「自分がいなくても心配ない」と断言。終生のライバル・棚橋、後輩のIWGP王者・オカダの名前を挙げ「『あとは任せたぜ』って言えるヤツがこんなにもいるので、潔く『行ってきます』と言える」と胸を張った。レスラーとしての夢を優先する決断を後押ししてくれたのは、新日プロを支える頼もしいライバルたちの存在がある。

 

 そんな中でラストマッチの会場に姿を現せなかった特別な人間もいた。それが飯伏だ。2013年8月のG1公式戦(大阪)は東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞ベストバウトを獲得。15年1・4東京ドーム大会でも中邑自身が「ベストバウト」と認める激闘を繰り広げた相手は、昨年10月から頸椎椎間板ヘルニアで長期欠場している。

 

 だが実は中邑はラストマッチ直前の1月末某日に、飯伏と個人的な会食の機会を設けていた。間もなく去る日本マット界の未来を託す意味も込めて、ライバル関係を超えたエールを送っていたのだ。「ハッパをかけとかないとなってことですね。なんていうか『今しかなんだよ』と。流れを作るのは他の誰でもない、飯伏。流れを作りたいなら、自分でやらなきゃいけないでしょ。そっちの方が面白いよってとこですかね」と、復帰後のさらなる飛躍に期待を寄せた。

 

 かねて中邑は、立ち技・格闘技のベースを持ちながら破天荒なスタイルを貫く飯伏に親近感を持っていた。「唯一無二のものを持っていて、自分が感じるなかで近いものがあると思ってる。エッジをきかせられるヤツですね」と自身の“後継者”として最も近い存在になると明かした。

 

 精神的優位に立てる相手とばかりゆがんだ人間関係を築きがちな飯伏にとっても、中邑は純粋にリスペクトを寄せられる数少ない先輩だ。今回の退団を知り、連絡を入れたのも飯伏の方からだった。「思いはちゃんと受け取りました。中邑さんもWWEで頑張ってください」と、その思いに応えようとしている。

 

 最終戦から一夜明けたこの日の中邑は「昨日ほど仲間の愛情を知った日はなかったですね。これで心置きなくというか、託して行けるなと。あ、あと小さくでもいいんで(期待する選手に)YOSHI―HASHIの名前も入れといて」と最後まで晴れやかな表情。日本プロレス界最高のカリスマが新たな挑戦を始める。