新日本プロレスの棚橋弘至(39)が20日、終生のライバル・中邑真輔(35)の壮行試合(30日、後楽園ホール)に秘めた思いを明かした。中邑との最後のマッチアップの機会を得た棚橋の義務は、新日プロを守る力を証明すること。中邑の新たな挑戦の後押しをすべく「俺のすごさを見せつける」と豪語した。

 ここ10年間の新日プロをともに支えた中邑が31日付で退団することを受け、30日後楽園大会では壮行試合が行われる。棚橋は柴田勝頼(36)、後藤洋央紀(36)と組んで中邑、オカダ・カズチカ(28)、石井智宏(40)組と対戦する。「中邑のラストマッチですから。(自分が)名乗り出るところを会社がくんでくれたのかも」と、運命のマッチメークに感謝の意を示した。リング上でライバルと戦う時間も残りわずかとなった。19日京都大会の6人タッグ戦では中邑にスリングブレイドを発射。試合後はこの技の名付け親が、開発当時のパートナー・中邑だったことを思い出し、感慨深い気持ちになったという。

 だが感傷に浸ってばかりもいられない。棚橋には最後の対戦相手として果たすべき役目がある。「昨日触れたときはエネルギーの塊みたいだった。完全に吹っ切れたんでしょう。ただそうは言っても、ずっと育ってきた新日本が心配になることもあるかもしれない。それを断ち切るために、俺のすごさを見せつけますよ」

 米国WWE挑戦が確実視される中邑を安心して送り出すためにも、団体の大黒柱として力を証明する。それこそが10年以上にわたりダブルエースとして団体をけん引した中邑に対する最高の餞別だ。棚橋は「僕は『長男坊』ですから。(2005年に)柴田が出て、戻ってきて、今度は中邑が出て行く。『実家』を守るのは僕。次男、三男はしっかり暴れ回って、名前を売って来い!」と断言。このメッセージを、リング上の戦いで体現するつもりだ。この日の大阪大会ではタッグ戦に出場。オカダに場外へのハイフライ弾を浴びせて勝利に貢献するなど「最後のライバル決戦」に向け好調ムードを漂わせた。その日まであと10日だ。