プロレス界に衝撃が走った! 女子プロレス「シードリング」が開催した11日の東京・後楽園ホール大会に、昨年5月に現役を引退した世IV虎(よしこ=22)が電撃登場。公の場に姿を現すのは約7か月ぶりだったが、無言のまま会場を後にした。本紙は、試合後に都内ホテルで高橋奈七永(37)と面会した直後の世IV虎を緊急直撃。会場を訪れた真意、さらには昨年2月のあの“凄惨マッチ”について――沈黙を守ってきた“渦中の女”がついに口を開いた。

 ――突然で驚いた

 世IV虎:普通に(観客として)見に来ただけですよ。試合中に高橋奈七永がやられそうになっているなって思っていたら、どうにかしなきゃって体が勝手に動いていました。観衆のどよめき? 全然聞こえなかったですね。リングの中しか見ていなかったので。

 ――現役復帰への意思表示もあるのか

 世IV虎:今だから言いますけど、実は昨年の11月(25日後楽園)のシードリングの試合を、たまたま仕事が休みになったので見ました。変装していたので誰にも気づかれませんでしたけど。あの騒動以来、プロレスを見るのは初めてだったんですけど、超感動して興奮してマジすげえって。アドレナリンが出まくっていた。何で自分があそこにいないんだろう?って思ったし、また気持ちがよみがえりました。

 ――ただ、昨年6月14日のスターダム後楽園大会で引退セレモニーを行っている

 世IV虎:あの時は、自分はもうやらないと思っていました。実際に社会人として仕事もしていますし。シードリングじゃなかったら、こういう気持ちにならなかったと思う。11月の試合からモヤモヤした気持ちがあって、自分がもしやるんだったらここしかないなって思い始めた。最後が後悔だらけだったので…。

 ――後悔とは

 世IV虎:6月の引き際(引退セレモニー)のことです。まだやりたいことがあったし、本当にプロレスが好きだった。自分でも、こんな終わり方になるとは思ってなかった。そういう部分です。

 ――実際のところ現役を続けたい気持ちはあったのか

 世IV虎:(昨年2月22日の)試合が終わった時点でいろいろ覚悟していたし、自分で(引退という)結論も出していた。周りとかいろいろ動いてくれたりしましたけど、自分で決めたからって(決意は変わらなかった)。自分ができないと思ったらできないし、中途半端に上がりたくない。やるか辞めるかしかなくて、結果的にああいう形になりました。

 ――“凄惨マッチ”となった昨年2月22日の安川惡斗(29)との試合について聞きたい


 世IV虎:(しばし沈黙の後)まだ、普通の仕事をしているので…。その時が来たら。

 ――安川は昨年12月23日に現役を引退した

 世IV虎:……。すみません。知りませんでした。普通に暮らしていたら(プロレス界の)情報が入ってこない環境にいたので。自分から知ろうとも思わなかったし、距離を置いていたんで。

 ――最後に

 世IV虎:まさか自分がまたこういう気持ちになるとは思わなかった。ホント、それだけです。マジ、プロレスってすげーって思いますね。

☆よしこ=本名非公表。1993年7月26日生まれ。東京・葛飾区出身。2011年1月23日にスターダムでデビュー。元ヤンキーの経歴そのままのキャラで人気を博し、14年8月にはワールド・オブ・スターダム王座を獲得した。昨年2月22日の安川惡斗とのタイトル戦(後楽園)が凄惨マッチとなり、執拗な顔面攻撃で安川の顔を“崩壊”させた。このため、団体から王座剥奪と無期限出場停止処分を科され、5月31日には現役引退が発表された。6月14日には引退セレモニーが行われたが、レスラー仲間から慰留されたことに不快感を示し、引退の10カウントゴングを聞かずにリングを下りた。必殺技はダイビングセントーン。160センチ、75キロ。