“浪速の筋肉獣”こと全日本プロレスのゼウス(33)が10日、3冠ヘビー級王座挑戦を表明した。この日の大阪大会で王者の諏訪魔(39)を沈め、既に決定している諏訪魔対宮原健斗の3冠戦(2月12日、後楽園ホール)に割って入る構えを見せた。一方の諏訪魔は右足に異常を抱えていることが発覚。重傷の可能性があり、11日に緊急検査を受けることになった。

メーンで行われた6人タッグ戦(ゼウス、ボディガー、ビリーケン・キッド組対諏訪魔、青木篤志、佐藤光留組)で一人、気を吐いたのがゼウスだった。地元の大声援を受けて自慢の筋肉美を誇示すると、狙うは2日に新3冠王者になったばかりの諏訪魔のみ。あいさつ代わりの重いチョップを放つと、精彩を欠く相手に猛攻を仕掛けた。

ハイライトは20分過ぎ。王者を孤立させるとボディガーと合体のチョークスラムを決める。相手も最後の力を振り絞って岩石落とし、投げっぱなしジャーマンで反撃してくるが、これをムクリと立ち上がってみせると、最後はジャックハマーにつなげて完璧な3カウントを奪ってみせた。

 試合後は迷うことなくマイクを握ると「おい、諏訪魔! こんなもんか!? だったら俺が3冠行ってもええんと違うか? あんたとの3冠、俺にやらせてくれや」と堂々と挑戦状を突きつけた。2日に諏訪魔がベルトを巻いた直後、宮原、石川修司とともに取り囲み、挑戦の意思を示した。

 ところが翌3日の後楽園大会では宮原が諏訪魔を沈め、初防衛戦の相手に決まったばかり。それでもあきらめていなかった。