このまま引退か。売名王・澤田敦士(32)が失明の危機に直面していることが判明した。

 大みそかのIGF両国大会で藤田和之(45)と対戦した澤田は試合中から意識を失い、最後は非情な顔面蹴りを食らって6分8秒、レフェリーストップで敗戦。左眼窩骨折、鼻骨骨折の重傷を負った。6日、都内で本紙の取材に応じた澤田は左目を眼帯で覆った痛々しい姿で「正直、目は全く見えません。光しか見えない。医者からは『視力が戻らない可能性がある』と言われた」と衝撃告白。この日、目を切開し、空気を抜くなどの緊急手術を受けたという。

 藤田にはこれまでも2度、救急車で病院送りにされた。最初の一騎打ちでは反則のグーパンチをアゴに叩き込まれて集中治療室(ICU)に運ばれ、生死の境をさまよった。奇跡的に回復したが、今回はより深刻だ。

「ぶん殴られてそこから記憶がなくなって、顔面キックらしい」。左目は腫れが引かず、半分しか開かない状態で、別の病院でも「これは危ない。目が見えなくなるかもしれない」と宣告されたという。

 昨年11月の千葉・我孫子市議選で初当選し、議員との二足のわらじを履く。医者からは入院を勧められたが、公務を優先して拒否。「オマエは許せねえよ。絶対、許せねえ」と藤田に復讐を誓うが…回復しなければ現役生活は困難。車の運転などの日常生活や、公務にも支障をきたすことになる。

「視力が復活することを祈るしかない」。澤田の悲痛な叫びは奇跡を起こせるか。