新日本プロレス来年1月4日の東京ドーム大会でNEVER無差別級王者・石井智宏(40)に挑戦する柴田勝頼(36)が、「天龍イズム」の継承者対決をブチ上げた。同王座には初挑戦となる柴田の胸中は――。

 柴田は先の「ワールドタッグリーグ」公式戦(11・21後楽園)で石井から直接フォールを奪い、次期挑戦者として指名を受けた。NEVER初挑戦には「どういうアレ(経緯)で生まれたベルトなのかも分かってない。タイトルマッチという意識はないっすね、ほぼ」としながらも「石井対柴田をするのは強い意味を感じている。ベルトがかかっててもかかってなくてもやることは同じ」と腕をぶした。

 対戦の「意味」を感じ取る理由の一つには、11月15日に引退したミスタープロレス・天龍源一郎(65)の存在がある。若手時代から対戦することでプロレスの厳しさを教えられた天龍とは、引退直前の9・2後楽園大会で共闘。「あそこでタッグマッチができたのは自分の財産」と振り返る。

 一方の石井もWAR時代から天龍に師事していた後継者の一人だ。柴田は「叩き潰す。回り回って新日本、天龍さん、長州さんから受け継いだDNAとかは(業界に)必要だと思う。だったらそれはそれでしっかりしたものを見せたい。そういう意味では格好の相手」と言い切った。

 立場や方法こそ違うが、ともに“天龍イズム”を知る者同士の戦いだからこそ、ミスタープロレス引退後初のドーム決戦で3大王座戦に組み込まれた意義を感じている。「散々ぶん殴られて、俺は戦うことで教えられた。向こうはそばで教えられたこともあるだろうし」(柴田)。意地とプライドがぶつかり合うNEVER戦は激闘必至だ。