当サイト既報通り、全日本プロレスを退団してフリーになった元横綱曙(46)が4日、東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急で会見を開き、新会社「王道」を設立することを発表した。曙が社長を務める。

 会社設立に至った経緯として、11月2日付で全日本プロレスを退団し、フリーになったことがあったと説明。退団の理由については「7月に1回、契約を結びまして、もう一回9月に契約を出された。自分的にあんまり(契約内容に)納得できずサインをしなくて、11月1日からまた話が変わった。二転三転する中で、ついていけないなと思い、フリーになった方がいいんじゃないかと思った」と語った。ただし「全日本の選手、リング上でやっていることは大好きです」とし、あくまでリング外のことが原因だったという。

 会社設立に至ってはかねて相談に乗ってくれていた故ジャイアント馬場さん(享年61)の夫人・元子氏(75)から全面支援を約束され、事務所は馬場さんの自宅(東京・渋谷区)に置かれることになった。今回の会見場を馬場さんにゆかりのあるザ・キャピトルホテル東急に用意してくれたのも、元子氏のはからいだった。

「王道」の今後については「そのうちできれば興行をやりたい。所属選手? 太陽ケア選手とか何人か話はしています。(契約内容などに)納得できない人の受け皿じゃないけど、一緒に力を合わせてできないかなという思いが強い」と語った。

 また、全日本プロレスとの関係については「中では刺激を与えられなかったので、外から刺激を与えたいと思います。それこそ、王道対全日本でもできればという気持ちはある」と、ゆくゆくは対抗戦の実現も視野に入れている。

 今後は王道所属選手として活動する予定で、その第1弾が12年ぶりの再戦となる新格闘技イベント「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND―PRIX」(29、31日、さいたまスーパーアリーナ)でのボブ・サップ(41)戦となる。曙は「ファイトマネーで少しでも新しい会社をやりくりできるようにと(出場を)決断した。やりたい戦いとやらなきゃいけない戦いがあるけど、今回はやらなきゃいけない戦いなんです。勝って王道を全国に伝えていきたい」と表情を引き締めた。