新日本プロレス29日の愛媛・今治大会で行われた「ワールドタッグリーグ」Aブロック公式戦で真壁刀義(43)、本間朋晃(39)組がバッドラック・ファレ(33)、タマ・トンガ(33)組を撃破。開幕2連敗からの3連勝で逆転Vが見えてきた。何としてもパートナーの本間に初勲章を与えたいと願う真壁の男気が「雑草コンビ」の快進撃を支えている。

 すでに2敗と後がない真壁組が、凶悪コンビ相手に大暴れした。まずは本間のこけしロケットから真壁がラリアートでファレをリング上から排除する。孤立したトンガに合体の「こけしインパクト」を決め、最後は真壁がキングコングニードロップでとどめを刺した。追い込まれてからが雑草コンビの本領とばかりに、破竹の3連勝で白星先行。決勝戦(12月9日、仙台サンプラザ)進出に望みをつないだ。

 新日プロでは現段階で今回のリーグ戦が今年最後のタイトル獲得チャンス。真壁は「是が非でもモノにしてえ」と口にするが、それは自分のためではなくパートナーの本間のためだ。「俺様は栄冠と呼ばれるものは取ってきた。でも本間はまだだよな。今年はアイツに助けられた。だったら今度は俺様の番だろ。今年の借りは今年のうちに返してえからよ」と胸中を明かした。

 今年2月の仙台大会で、NEVER王座を保持していた真壁はインフルエンザで急きょ欠場を余儀なくされた。予定されていた石井智宏との防衛戦は消滅し、代わって行われた新王者決定戦で真壁の穴を埋めたのが本間だった。だからこそ真壁は「本間のくせに俺様を助ける日が来るなんてよ。でもデカイ借りだと思ってるよ」と、今リーグ戦ではアシスト役に徹してVを狙うというのだ。

 最近は滑舌の悪さでメディア露出が急増した本間だが、新日プロでタイトルはいまだ獲得していない。真壁は「まあそれもよく考えたら俺様の代役(注・昨年5月にアゴを骨折した真壁に代わって本間が日テレ系『スッキリ!!』に出演)なんだけどな。でもよ、今のアイツがリングの上でも結果残したら、さらに変わるぜ?」

 唯我独尊のゴーマン男が他人のために戦うなどこれまででは考えられなかったことだが、それもGBH時代から続く本間との信頼関係があるからこそ。雑草同士だからこそ分かり合える絆を胸に、優勝へ突き進む。