元3冠ヘビー級王者の潮崎豪(33=フリー)が、26日のノア東京・後楽園ホール大会で2年11か月ぶりの古巣マット復帰戦を白星で飾った。北宮光洋(27)を退け、全日マットで成長を遂げた姿を見せつけると、早急にGHCヘビー級戦線にからむことを宣言。早ければ2016年最初のビッグマッチとなる1月31日横浜文化体育館大会での王座挑戦が、急浮上してきた。

 再出発の戦場にノアを選んだ男が決意を新たにした。20日の後楽園大会に来場した際は、2012年末の退団劇が団体の低迷を招いたことから一部の選手とファンが猛反発。「ノア対鈴木軍」の抗争にはからまず、年内は5大会でシングル戦が組まれた。

 これに対し潮崎は「正直な声だと思う。歓迎一色じゃない声をどうひっくり返すか。自分の力に変えたい。大田区でタイトル戦もあるし、自分も見させてもらう」とうっすら笑みすら浮かべながら口にした。

 12月23日の大田区総合体育館大会で行われる王者・鈴木みのる(47)対挑戦者・丸藤正道(36)のGHCヘビー級王座戦は、両雄の最終決着戦とあって静観するつもりだ。しかし、年明けからは黙っていない。「やるからにはベルトというものは狙っていきたい。来春? 早いとこからんでいければ」と一気に頂点取りを狙う考えを表明した。同王座は2度の戴冠実績があり、最後に王座を失ったのは2012年1月22日の大阪大会(対森嶋猛)。止まった“時”を4年ぶりに動かすには、1月大会が絶好の場となる。くしくも3冠王座を初戴冠したのも今年1月だった。

 その一方で潮崎退団後の全日本プロレスは窮地に陥った。元横綱曙もフリーとなり、鈴木鼓太郎と金丸義信も相次いで退団を表明。これについては「事情は分からないけど、それぞれの考えがあってのことだと思う。何も言えない…」と話すにとどまった。

 復帰第1戦では「一から出直すため」と黒いショートタイツ姿で登場。ゴーフラッシャーから豪腕ラリアートにつなげて北宮を沈め、会場の“アンチ潮崎派”を黙らせた。「まずは集中して、この緑のマットでやっていく」と誓った潮崎。あらゆる声を実力で封じ込み、再び頂点に返り咲くつもりだ。