DDTが管理する「アイアンマンヘビーメタル級選手権」のタイトルマッチが19日、東京・江東区の東京スポーツ新聞社で緊急開催された。28日のエディオンアリーナ大阪大会をPRするため訪れた現王者・チェリー(41)を、タレント兼プロレスラーの赤井沙希(28)が“謎の情報網”で聞き付けて襲撃。本社編集局まで巻き込んだ女同士のバトルの結末は――。

 チェリーはアイアンマン・バトルロイヤル王座戦が行われる団体初の関西ビッグマッチをPRするべく、コスチューム姿で本社を訪れた。会議室で取材を受けていたが、背後からなぜか赤井が現れ、バッグで殴打。しかも、自前で雇ったとみられるレフェリーまで引き連れてきた。

 同王座はレフェリーが3カウントさえ認めれば、いつでもどこでも移動するルールで、戦いが始まれば即タイトルマッチとなる。赤井は大阪決戦でバトルロイヤル王座戦への出場が決まっているが、8日の春日部大会での王座戦では出場選手中、唯一ベルトを巻くことができなかった。あまりのベルト欲しさに待ちきれず「東スポ襲撃事件」を起こしたようだ。

 かくして史上初めて本社内で緊急王座戦のゴングが鳴った。もちろんチェリーも負けられない。赤井のフォールをことごとく返す。エスカレートした2人は編集局内で激しい打撃戦を展開し、両者ともにダウン。

 たまたまそこで仕事中だった本紙レース部の秋田麻子記者が「大丈夫ですか?」と横たわるチェリーの上半身に上から手を当てていると…間違ってレフェリーが3カウントを叩き同王座の第1054代王者となってしまった。現役の東スポ所属プロレス王者の誕生は、かつてのストロング小林(1974年から75年にかけて「東スポ所属」レスラーとして活動し、アントニオ猪木のNWF世界ヘビー級王座に挑戦)さえ達成できなかった快挙だ。

 とはいえ秋田記者はズブの素人で、直後にチェリーの首4の字固めにギブアップし王座陥落。赤井はそのチェリーを首4の字で絞め上げるが、ギブアップまでは奪うことができない。

 だが、この仰天マッチは意外な形で幕引きに…。騒動を聞き付けた本社ビルの警備員が駆け付け、赤井が入館手続きを怠ったことが発覚。哀れ「不審者」扱いとなり、赤井はビルの外へと連れ出されてしまったのだ。

 結果的に第1055代王者の座を死守したチェリーは「なによあの子! 人様のベルトを欲しがる、欲しがりな泥棒猫ね!」と赤井を糾弾。一方の赤井は深夜に電話取材に応じ「今日は東スポさんにご迷惑をお掛けしてすみませんでした…」としょんぼりしたものの「大阪で絶対ベルトを取りますから!」と、本番での汚名返上を誓った。前代未聞マッチを経た大阪決戦から目が離せない。