邪道・大仁田厚(58)が18日、窮地の王道戦士にまたもや「救いの手」だ。主力選手の相次ぐ退団に見舞われる古巣・全日本プロレスの現状に、黙っていられなかった。女子プロレス界最大のカリスマ・長与千種(50)と保持する爆破王タッグ王座をかけ、なんと全日本の「世界最強タッグ決定リーグ戦」(23日、東京・後楽園ホールで開幕)優勝チームとの防衛戦を申し入れたのだ。

 この日、大仁田と長与の爆破王タッグ王者組は来月の「超花火プロレス」爆破2連戦に向けた会見に出席。「常陸国超花火」(12月9日、茨城・水戸市民体育館)ではTARU、“brother”YASSHI組と初防衛戦を行い、「しゃちほこ超花火」(同15日、愛知・名古屋市露橋スポーツセンター)ではノンタイトルでTARU、前泊よしか(元クラッシャー前泊)組と対戦する。

 大仁田は「水戸か名古屋で(シングルの)爆破王のベルトもかけてほしい」とダブルタイトルを要求。王者のTARUからは拒否されたが「年内はタッグの防衛を続け、来年につなげたい」と意気込みを口にした。

 実はすでに、今後の防衛ロードを思い描いている。「正直、全日本を心配している」と切り出すと「俺は王道を捨てて邪道の道へ走ったけど、原点はあそこのリング。できることがあれば何でも協力したい」と真剣な表情で口にした。

 全日本はエースの潮崎豪と前3冠ヘビー級王者の曙に続き、30日付でジュニアの鈴木鼓太郎まで退団。しかも、所属選手は事実上「専属フリー」のような形になっていることが判明した。そこで「本当なら大仁田、曙組で最強タッグにエントリーする予定だったけど(曙の退団で)できなかった。代わりに俺と長与さんのベルトをかけて、優勝チームとやろう」と呼びかけた。

 余計なお節介にも聞こえるが…真意は違う。邪道と王道の最強チームが激突することで、最強タッグリーグの価値も上がると考えている。ただ、これまで何度も王道戦士との電流爆破をブチ上げてきたが、なしのつぶてだった。今度こそ、その思いは届くのか注目だ。