【天龍引退興行:第10試合】禁断の初対決は消化不良のまま終了した。藤田は関本大介(34=大日本プロレス)を、一方の諏訪魔は岡林裕二(33=同)をパートナーにして対峙すると、試合前からヒートアップ。ところが、リング中央でニラみ合ったまま、3分間近く微動だにしない。観客席からブーイングと怒号が飛び交う異様な空気になった。

 たまらず動いたのは藤田だ。右の張り手を一閃すると即座に諏訪魔もやり返す。そのまま取っ組み合いの乱闘になり、もはや制御不能になった。それでも大日本勢の2人が何とか立て直し、諏訪魔が関本にコブラツイストを仕掛けると、負けじと藤田も岡林に決めて“競演”する場面もあったが、直後には場外戦で机が飛び交う展開に…。試合を成立させたのは、天龍引退後のプロレス界を背負っていく岡林と関本だ。最後は岡林が関本をゴーレムスプラッシュで沈め、BJW認定世界ストロングヘビー級王者の貫禄を見せつけた。

 試合後、マイクを握った藤田が「諏訪魔、分かってるよな? 俺は年末が楽しみでしょうがねえんだよ」と向けると、大ブーイングと「大日本コール」が浴びせられる。しかし、諏訪魔は「今日は天龍さんの引退試合のリングなんだよ! お前が考えるリングに上がる気はねえ!」と、改めて藤田が見据える大みそかのIGF(両国)や年末格闘技イベントでの一騎打ちを拒否した。

 返答を受けたバックステージの藤田は大荒れで「何だあれ? 終わらしてほしかったら『怖いです』って言え。人の目をまともに見れねえやつが、俺に勝負を挑むなんて100万年早い。これで終わりだ。話になんねえ!」と事実上の抗争終結を宣言。ついに実現した夢対決は、これが最初で最後になってしまうのか――。