全日本プロレスを退団した元3冠ヘビー級王者・潮崎豪が古巣のノアマットに復帰することが11日、分かった。潮崎本人が本紙の取材に対し、次期シリーズ開幕戦となる20日のノア東京・後楽園ホール大会への来場を認めた。GHCヘビー級王者・鈴木みのる率いる鈴木軍の前に窮地の方舟に、頼もしい男が帰ってくる。

 潮崎は9月30日付で全日本プロレスを退団。10月1日からフリーに転向した。同4日の全日本・羽村大会を最後に試合出場しておらず、1か月以上が経過していた。関係者によると、水面下では複数の団体と交渉を持った模様だが、最終的には自身の希望と団体側の熱意が合致したノアを選択した。

 潮崎はこの日、本紙の取材に「20日のノア後楽園ホール大会に行くことを決めました。今はそれしか話せません。詳しくは後楽園でお話しします」と語り、事実関係を認めた。当日は試合出場するのか、それとも来場にとどまるのかは言及しなかったが、フリーとして参戦する意向を固めたのは確かなようだ。

 2004年7月24日のノア・ディファ有明大会(潮崎、本田多聞組VS秋山準、橋誠組)でデビューすると、183センチ、110キロの体格と、端正な顔立ちからエース候補として人気が上昇。2度(第15代、17代)のGHCヘビー級王座戴冠も成し遂げた。だが、12年末の契約満了をもって秋山、金丸義信、鈴木鼓太郎、青木篤志とともに退団。その後、5人で全日本プロレスに移籍した。

 現状のノアマットはGHC王者・みのるが3月から長期政権を築き、至宝流出が続いている。12月23日の大田区総合体育館大会では丸藤正道が3度目のGHC戦に臨むが、特にヘビー級の層の薄さは顕著。潮崎の加入はこの上ない戦力となる。

 一方で一部の選手、ファンには、潮崎らの大量離脱がその後の低迷を招いたことからも、感情的なシコリが残っているのは事実。歓迎ムード一色になるのかそれとも――2年11か月ぶりとなる元エースの登場は、方舟マットのカンフル剤になりそうだ。