ミスタープロレス・天龍源一郎(65)の引退興行(15日、両国国技館)で全日本プロレスの諏訪魔(38)と禁断の初対決を果たす野獣・藤田和之(45)が9日、決戦前最後のメッセージを送りつけた。最終的な一騎打ちを見据えるリングを主戦場であるIGFに限定せず、他のリングである可能性も示唆。さらには王道戦士に向けて吐いた“暴言”の真意を激白した。

 闘魂対王道。運命の決戦がいよいよ6日後に迫ったこの日、藤田は高まる鼓動を抑え切れなかった。「ここだけで終わるかもしれないけど、天龍さん最後の大会で『始まり』がある可能性があるのはこの試合だけ。まあ試合じゃないね。潰し合いになる」と厳しい表情を見せた。

 藤田は関本大介(34)と、対する諏訪魔は岡林裕二(33=ともに大日本プロレス)と組んで激突する。だが「(パートナーは)セコンドがエプロンに上がっていると思えばいいし、アイツしか見えない」と激白するように、ひとたび開戦のゴングが鳴れば一騎打ち同様の戦いとなる。

 さらには「俺は『年末に』と言ったけど、何でIGFのリングっていう話になってるの? IGFはやるか分からないし、ほかにもイベントがあるだろ!? どんなルールでもいいんじゃない?」とも明言。主戦場とするIGFの大みそか決戦(両国)に限定せず、オファーがあれば他の格闘技イベントでも諏訪魔とのシングル対決を実現させたい意向だ。

 一方、1日の全日本・弘前大会では“悪魔仮面”ケンドー・カシンの謀略により王道マットに登場。「お前ら全員解雇なんだろ?」と発言したことが波紋を呼んだ。その真意を野獣はこう説明する。

「馬場さんの王道を継ぐなら、自分たちの形に変えて継がないと。一回思い切って捨てること。だから堂々と胸張って解雇されればいいんですよ。大変なのは分かるけど、みんな知ってんだから。『全日本』という看板が動かないとこの業界は活性化しないし、歯がゆいから言ったんだ」

 さらには「そもそも俺なんかIGFと契約すらしてもらえない。IGFは招待券で会場をいっぱいにして大入り袋が出るし…イリュージョンだよ(笑い)。それに比べたら全日本はまとも。暴走専務って言われてるけど暴走してないのが今の全日本。アイツが暴走することが、アイツらの王道につながる」と意外なエールも送った。果たして諏訪魔はどう反応するか。決戦へ待ったなしだ。