日本マット界がラグビー日本代表の活躍を受け発奮している。ノアの杉浦貴(45)が“飲み友達”のLO大野均(37=東芝)に「グローバルリーグ戦」(16日、東京・後楽園ホールで開幕)の連覇を誓った。

 リーグ戦開幕を翌日に控えた15日、杉浦は気持ちの高ぶりを抑えきれなかった。「ここで優勝してもう一度、ベルトに挑戦したい。何よりも優先してヘビーのベルトを取り返さなきゃいけない」と闘志を燃やす。

 GHCヘビー級王者・鈴木みのる(47)を筆頭に5人が乗り込む鈴木軍に優勝を許せば、ノアは「解散」となる危機的状況。しかも杉浦は、9月19日の大阪大会で団体最後のトリデとしてみのるに挑戦し、敗れたばかり。直後は気持ちがどん底まで落ちたが、ラグビーW杯で激闘を繰り広げる日本代表の中で3大会連続出場を果たし、最年長出場記録を更新した大野の姿に勇気づけられた。

 実は今年1月に知人の紹介で知り合い、親交を重ねてきた仲。「普段のキンちゃん(大野)は寡黙な感じで静かに酒を飲むけど、ピッチでは最年長でもあんなに激しい戦いをしていた。帰国会見で『空港に多くの人が出迎えに来てくれた。ずっと見たかった光景がそこにあった』と口にした言葉が響いた」

 16日は丸藤正道戦、17日のディファ有明大会では相棒の田中将斗(ゼロワン)戦と序盤にヤマ場がくる。しかも他団体の田中に「俺が鈴木軍を止める」とノアの救世主を名乗られた。「俺らが言わなきゃいけない言葉。負けたくない」と表情を引き締め、開幕ダッシュからの2連覇を狙う。