棚橋が内藤の要求を全面受諾のワケ

2015年09月30日 16時00分

棚橋は10・12両国決戦への思いを明かした

 新日本プロレス10月12日の両国国技館大会で来年1月4日東京ドーム大会IWGPヘビー級王座挑戦権利証争奪戦に臨むG1クライマックス覇者・棚橋弘至(38)が、挑戦者・内藤哲也(33)の要求を全面受諾した。渦中の男として悪の道を走る内藤に厳しい言葉を浴びせながらも、あえてその主張を全てのんだ裏には、かつての“後継者”に対する期待があった。

 

 G1覇者として6年連続ドームのメーンイベンターを目指す棚橋は、争奪戦の相手に内藤を指名。とはいえロス・インゴベルナブレス加入後から不敵な態度を取る内藤は、何かと難癖をつけてきた。

 

「結局この会社は棚橋が言ったことが正しいんだろ?」と嫌みに吐き捨てた上で、リマッチなしの最終決着戦と、内藤が勝利した場合のファン投票開催を条件に挙げていた。ファン投票は2013年の権利証を保持していた内藤のIWGP戦がメーンから降格して以来行われておらず、自虐的に新日プロを皮肉ったものだ。

 

 これを棚橋は「そう、正しいんですよ、俺は。全ての発言に信念を持っているからね。内藤の言っていることは、子供の言い訳にしか聞こえない」とバッサリ切り捨てつつも、あえて内藤の要求を全てのむ意向を示す。

 

 さらには「再戦なし? 望むところ。俺は(G1公式戦で)負けてますから。ファン投票だってやったらいい。それは企業としての正攻法かもしれないし」と、大人の対応を見せた。

 

 その裏にはかつて棚橋からエースの系譜を引き継ぎ損ねた男への、最後の期待が見え隠れする。ここに来て真逆のスタンスをあらわにした内藤に棚橋は「ついに自分の道を上り始めたかな。一目置いてますよ。険しい道だけど上ってみせろと。ただ俺は29歳の時から全力で(団体を)背負ってきてますから。(33歳の内藤は)もっと焦らないと」と高評価の裏返しとして愛のムチを振るう。自身に続く後輩の台頭が、団体の発展に不可欠と知っているからこそだ。

 

 とはいえ棚橋の役目は、あくまで高い壁として立ちはだかり続けること。「俺もまだまだ譲れない。今年も(プロレス大賞)MVPの射程圏だと思ってますからね。ドームに向けてデカイ花火を打ち上げますよ」。棚橋時代を継続させるためには、複雑な心境を押し殺して内藤を再び谷底に叩き落とすしかない。