全日本プロレスは28日、横浜市内の事務所で会見を開き、前3冠ヘビー級王者の潮崎豪(33)が30日付で退団すると正式発表した。10月1日からフリーとなり、同4日の東京・羽村大会が“全日本ラストマッチ”になる。エースの離脱ショックに見舞われた秋山準社長(45)は本紙の単独直撃に応じ、不安視される王道マットの行方について激白した。
――看板選手を失うが
秋山:ダメージは大きいよ。ただ、アイツの気持ちも分からんでもない。「どこまで俺ができるのか」とか「今じゃないとできない」という気持ちはね。だから意思を尊重して「じゃあ、頑張ってこい」と。アイツなら何とかできるんじゃないかと思う部分があるし。
――慰留はした
秋山:そりゃ、するよ。ギリギリまで。「フリーとして出たらどうか?」という話もしたけど、「11月は分かりません」という話だった。分からないとなると、こっちもどう使えばいいのか分からない。なら区切りがいい、このタイミングがいいということです。
――ファンには「全日本は大丈夫か?」と不安視する声が多い
秋山:大丈夫。まず俺は逃げないし、逃げられない。全日本と心中覚悟で社長になっているから。正直、楽ではないし、キツいところで頑張ってくれている選手、社員たちをしっかり見ないといけない。俺一人じゃできないのは、みんなも分かってほしいし。
――ここ数年は分裂騒動など暗い話題が続く
秋山:今回のことでもファンにはガッカリさせている部分があると思うし。けど、苦しい中でも頑張っている選手もいる。(1日付入団の)ゼウスなんか最悪な時に入ってきて「いいところに持っていけるように頑張ります」と言ってくれた。諏訪魔だって分裂した時に「残る」と言ってくれた男。渕(正信)さんも「お前と一緒にやると決めたから」と言ってくれている。俺も最前線で頑張るつもりだ。
――ノア時代、当時の社長だった故三沢光晴さん(享年46)も45歳の時に王者としてけん引した
秋山:ダブってるよね。だからビビっている。半分の俺がビビっているけど、半分の俺が「お前なら大丈夫」というのがある。今はそっちのほうが強いのかもしれない。
――王道トーナメント覇者として11月1日の青森・弘前大会で3冠ヘビー級王者・曙(46)への挑戦が決まった
秋山:今の全日本は揺れ動いているから、俺がベルトを取って、俺が全日本なんだというのを知らしめていきますよ。