全日本プロレスの前3冠ヘビー級王者・潮崎豪(33)が9月いっぱいで退団することが27日、分かった。すでに今月上旬に団体側に退団の意向を申し入れ、中旬に受理されていた。10月からはフリーとなる。本紙の直撃に応じた潮崎は事実を認めて、現在の胸中を激白した。

 王道マットに衝撃が走った。エース・潮崎の離脱表明。関係者によると、今月上旬から慰留が続いたが、本人の意志が固く9月いっぱいでフリーになることが決まった。選手とスタッフにはシリーズ最終戦となった26日の後楽園大会までに伝えられたという。

 カードが発表されている10月4日の東京・羽村大会(潮崎、宮原健斗組対秋山準、金丸義信組)が「全日本ラストマッチ」になる予定で、その後は白紙。潮崎は退団の事実を認めた上で「今年に入っていろいろ考えていて、可能性を広めたいという思いがあった」と明かした。

 1月に3冠王座を初戴冠した一方で、別の考えが芽生えた。「(ノアのGHCに続き)3冠を取って、どこか達成感を感じた自分がいた。自分を高めるためにも、それではダメという思いがあった」。半年近く悩みを抱えながらリングに上がり続けた結果、行動に移した。

「自分の考えを聞いてくれた会社には感謝しかありません」

 2012年12月末に秋山準(45)ら4選手とノアを退団。翌年から全日本に参戦し、その後所属選手となった。分裂騒動が起こった時も秋山らと行動をともにし、昨年7月に新生・全日本に参加。今後については未定だが、妻子を持つ身だけに早急に次の戦いの場を見つけなくてはならない。

「不安はあるけど、これからは自分で考えて動かないといけない。全日本で応援してくれたファンには申し訳ない部分もあるけど、そこはリングで活躍してみせます。今後戦いたい相手や団体? いっぱいいる。戦いの場を広げていきたいです」。28日にも会見し、正式発表する予定だ。