相手がいない…。12日のキックボクシング「Krush58」(東京・後楽園ホール)で女子王座3度目の防衛に成功した“格闘二刀流”朱里(26)が13日、思わぬ悩みを口にした。

 トモコSP(39)の挑戦を受けた王者は、初回にいきなり右ストレートでダウンを奪取。2回以降も相手の動きを完封し、計4度のダウンを奪った。KOはならなかったが、格の違いを見せつけるV3劇だった。

 この日、一夜明け会見に臨んだ朱里は「KOしたかった…」と表情を曇らせながら「パンチ力が上がったと思う。ゴツゴツしたパンチが当てられるようになった。後ろ回し蹴りも出せたし、成長が試合の中で見えている。次の試合が組まれたらKOしたい」と前を向いた。

 だが、その強さに見合う相手がいない。世界中にネットワークを持つ“立ち技界のビクター・キニョネス”こと宮田充プロデューサーも「正直、51~52キロの女子選手で誰かいるかとなるとなかなか少ない。次戦は年内を考えているが、国内国外で『もしかしたら倒されるんじゃないか?』という雰囲気のある選手を当てたい」とうれしい悩みを打ち明ける。

 同大会ではデビュー戦をKO勝利で飾ったKANA(23)から「ベルト、巻きます」と挑戦を表明されているが、朱里は「自分としてはいつでもいいです」と余裕の表情。これには宮田プロデューサーも「『なめんなよ!』ぐらい言うのかと思った…」と肩透かしを食らった様子だった。

 プロレスでは先月末に渡米し、独立団体WUWのニューヨーク大会(日本時間8月30日)に参戦。4日のREINA女子・新木場大会では、REINA女子世界王座奪取トーナメント1回戦を勝利で飾った。

 キックとプロレス、両方の世界で“絶対女王”に君臨するため、朱里の挑戦は続く。