29日の「IGF4」(東京・両国国技館)でウィリアム・ペン(31=米国)に1R3分7秒、チョークスリーパーで完勝を収めた北京五輪柔道金メダリスト・石井慧(28)。今後、柔道王はどのマットに上がるのか?

 石井は「10月か11月の上旬には試合をしたい」と語った一方で、大みそかについては「考えてません」と言葉を濁した。

 大みそかにはIGFが「INOKI―BOM―BA―YE」(両国国技館)の開催を決定。また旧「PRIDE」スタッフによる新イベントも噂されており、どちらにとっても柔道王は喉から手が出るほど欲しい。

 石井のコメントの中で唯一、具体的だったのは対戦候補の希望としてマルチン・チュブラ(29=ポーランド)の名前を挙げたこと。ロシアの格闘技団体「M―1チャレンジ」のヘビー級王者で、石井は「場所はM―1でもここ(IGF)でもいい」と語っている。

 石井は昨年11月、セルゲイ・ハリトーノフ(35)戦を負傷でキャンセルしたため、「M―1」との契約が1試合残っているとされる。だが、10~11月上旬に試合を行えば、ダメージなどを考慮しても大みそか参戦は困難だ。また、チュブラも9月20日に「M―1」の防衛戦があり、同時期に試合をするのは非現実的だろう。

 IGFの宇田川強エグゼクティブディレクターは「ぜひうちに上がってほしいが、石井選手がどこに上がりたいかを尊重する」と“去るものは追わず”の姿勢。石井の所属事務所関係者も「今後については分からない」と繰り返すのみだった。

 石井の次戦はIGFかM―1か、それとも新イベントか? まだ先行きは不透明だ。