〝狂乱の貴公子〟ことリック・フレアー(73)が、2度目の引退試合で「2度、気を失った」と告白し、話題を呼んでいる。

 16度世界王者に輝いたWWE殿堂者は、7月31日(8月1日)にテネシー州ナッシュビルで「ラストマッチ」と銘打った引退試合を行い、まな娘シャーロット(WWE)の夫アンドラデ・エル・イドロとのコンビで、ジェイ・リーサル&ジェフ・ジャレットを破った。WWEでは2008年に引退しており、これが2度目の引退試合だったが、試合中には額を割られ、マットに倒れてピクリとも動けなくなるなど危険な場面もあった。

 実際はどうだったのか? フレアーがポッドキャスト番組「トゥー・ビー・ザ・マン」に出演し、「ラストマッチ」を振り返ったと複数の米メディアが伝えている。

 フレアーは引退試合について「みんな、私が2回気絶したことを、わかっていないと思うんだ」と衝撃の告白。危険な状態も何も、実際に試合中に2回、気を失っていたという。

 フレアーによれば、原因は、体重管理のミスによる脱水症状だった。「(試合に向けた)トレーニングがあまりに厳しかったので、体重をキープしたかった。それで220ポンド(約99・6キロ)という完璧な体重で臨みたかった。でも、最後の1日半で217ポンド(約99・2キロ)にしようと思って、水分補給をしなかったんだ。それで、217ポンド(約98・3キロ)くらいでリングに上がり、脱水症状を起こしてしまったというわけ」

 73歳のレジェンドは義理の息子アンドラデのサポートもあって、何とか試合を続けて勝利をもぎとった。一方、ニューヨーク・ポスト紙によると「2017年、フレアーは10日間意識不明の状態に陥り、その後、腎不全とうっ血性心不全の初期段階であると診断された」。ところが今回の引退試合前にも「毎晩、アルコールを飲んでいる」と自慢げに語っており、体調管理に問題があったのは確からしい。

「世界一ゴージャス」を売りにするフレアーらしいハチャメチャさだが、試合後も医師から脱水症状を指摘された後、バックステージでビールを6本持っていたそうだ。そこで、試合を観戦していたWWE殿堂者の〝怪人〟ジ・アンダーテイカーが駆けつけ、フレアーからビールを取り上げて「まずはゲータレード(スポーツドリング)を飲め」と水分補給を命じたのだという。

 それでもフレアーは「私は水分補給の重要性を過小評価していたんだ」としれっと言い、「私はこのようなことができる最も幸運な男だ」と語った。最後まで〝オールドアメリカンスタイル〟を貫いたレジェンドだが、何はともあれ、無事でよかった…というところだろう。