新日本プロレス「G1クライマックス」を制した棚橋弘至(38)が優勝から一夜明けた17日、来年1月4日東京ドーム大会でのIWGPヘビー級王座(現王者はオカダ・カズチカ)挑戦権利証を獲得した。王者時代は同システムに否定的だった棚橋だが、自身が手にした途端に態度を豹変。6年連続ドームメーン登場への第一関門として、バッドラック・ファレ(33)を指名した。

 8年前のG1初制覇の一夜明け会見では当時公表していなかった結婚を発表し、さながら“釈明会見”のような肩身の狭さを味わった棚橋だったが、この日の表情は晴れやかそのもの。「喜びの会見ができてよかった」とV2を勝ち誇った。

 さらには菅林直樹会長(51)からG1覇者特典として恒例の挑戦権利証を与えられた。「(自分が)王者のときは、この権利証は『ズルイな』と思ってました。ただこうして実際手にしてみると…ありがとうございます。誰が考えたか知らないけど、最高のシステムですね」と、得意のご都合主義…いや柔軟なポリシーでこれを受け入れて闘志を燃やした。ちなみに同システムを開始したのは2012年大会覇者で現IWGP王者のオカダだ。

 ともあれ下半期の棚橋は、6年連続ドームメーンという偉業に向け、権利証を守り抜く戦いに打って出る。「G1で負けている試合もあるので。ファレ、内藤(哲也)。この2人はドームの前に戦わないといけない」と名前を挙げた。

 中でも最優先事項に挙げるのがファレへの雪辱だ。棚橋は「まずはファレですかね。内藤は柴田(勝頼)との遺恨で忙しそうというのもありますけど、やっぱり2年連続(G1の公式戦で)負けてるってのはデカイ。バレットクラブから始めますよ」と理由を明かしつつ“V1戦”の相手に天敵となりつつあるトンガの怪人を指名。9月27日神戸ワールド記念ホール大会での対戦が急浮上した。

「雲が晴れて、頂が視界に入ってきましたね」。復権を果たしたエースが、新日プロの中心に戻ってきた。