4年ぶりの優勝まであと一歩及ばなかった。棚橋の非情な左ヒザ攻撃に苦しみながらも、20分過ぎには痛みをこらえながらジャンピング式、スライディング式とボマイェ連打で勝負に出るも、勝利の女神はほほ笑まなかった。試合後は自ら手を出し、宿命のライバルとガッチリ握手。「燃え尽きたでしょ。リングの上で全部吐き出した」とだけ口にすると、悔しさをにじませながらバックステージを後にした。

 苦難のG1だった。「左肘頭滑液包炎」により3大会(うち公式戦1試合は不戦敗)を欠場。それでもG1史上初となる大会中の戦線復帰を果たすと、ここから奇跡的な連勝。オカダとの最後の公式戦(15日、両国)も勝利。執念で優勝決定戦のリングにたどりついてみせた。優勝は逃したがIWGPインターコンチネンタル王者・後藤洋央紀から勝利を挙げて“副賞”を手にしたのは事実。休む間もなく手負いの中邑は、次なる戦いに向けて動き出す。