新日本プロレス「G1クライマックス」11日の後楽園大会で、AJスタイルズ(37)がバッドラック・ファレ(33)を撃破し2敗を守った。これでAブロックは2敗のAJと棚橋弘至(38)の2人に絞られ、最終戦の直接対決(14日、両国)の勝者が決勝戦(16日、両国)に進出する。下馬評通りの強さを見せつけるフェノメナールの好調の秘密とは――。

 バレットクラブ(BC)の同門対決は、前IWGPヘビー級王者に軍配が上がった。開始早々に持ち掛けた“勝ち工作”はファレに拒否されたものの、ロープに両足をかけた状態での押さえ込みで、技ありの3カウント。試合後は盟友と健闘をたたえあった。

 これで1試合を残しAブロックはAJと棚橋が2敗で首位を並走。両雄が最終戦での直接対決を残しているため、下馬評通り「2トップ」のマッチレースとなった。

 期間中に右ヒザを負傷し、7月29日の福岡大会で内藤哲也(33)に敗戦した時点では2勝2敗と不調だった。だがそこから怒とうの4連勝で一気に巻き返しに成功した。

 復調を支える2つのキーワードは「阪神タイガース」と「ゲーム」だ。2敗を喫した直後のオフとなった7月31日、野球が趣味のAJはBCメンバーとともに甲子園球場で阪神―ヤクルト戦を観戦してリフレッシュ。試合前にはAJファンの安藤優也投手(37)と対面しエールを交換した。なお安藤はその日の勝利投手となっている。虎党のAJは「ハンシンは最高のチームだし、アンドーはグレートピッチャーだ。彼はもうBCのメンバーだ。いつか一緒に花道を入場したい」と活力をもらったという。

 また慣れない異国での長期ロード移動中も、大好きなゲームでリラックス。約300ドル(約3万7500円)をかけて自前でカスタムした大画面付き携帯ゲーム機を持ち込んで来日するこだわりぶりで、1日約3時間は没頭している。飯伏幸太(33)といい、天才肌のレスラーは異常なまでのゲーム好きが多い…。

 決勝進出に王手をかけたAJは「タナハシのことはリスペクトしているが、2月(大阪大会)に勝っているし、今回も同じ結果だ。決勝? 誰が来てもいい。ナカムラ(中邑真輔)との初対決をファンが望んでいるのは分かるし、もしかしたら決勝で実現するかもね」とニヤリ。史上初の外国人G1覇者に最も近い存在は、やはりこの男だ。