新日本プロレス「G1クライマックス」4日の仙台大会でBブロック公式戦が行われ、中邑真輔(35)がIWGPインターコンチネンタル(IC)王者の後藤洋央紀(36)を撃破。2連敗中だった荒武者へのリベンジに成功した。中邑はICだけではなくIWGPヘビー級王座の挑戦権も視野に入れた。

 手負いの中邑が底力を発揮した。後藤とは7月5日の大阪大会以来、1か月ぶりの再戦。しかも今年は2度もIC戦で敗れている。左ヒジ負傷から1日に戦線復帰したばかりの中邑にとって、この上なく過酷な戦いになった。

 えげつない左腕攻撃が続き、中邑は苦悶の表情を浮かべ続けた。それでもスキを見てはヒザ蹴りを叩き込み、勝機をうかがう。

 15分過ぎには雪崩式牛殺しから裏昇天を連続で食らうが、昇天・改だけは許さない。そしてラリアートに出た後藤の左腕へ狙っていたかのように巻きつくと、そのまま腕ひしぎ逆十字で伸ばしきり、大逆転勝利に成功した。中邑は「殿の首、いただきイヤァオ!」と叫び、歓喜の表情を浮かべた。

 大きな勝利だ。試合前には「副賞が豪華になった。後藤に勝てば、IWGPチャンピオンに勝ったIC王者に勝つことになるわけだし。同じブロックにICとIWGPの王者がいて(自分が)『勝ったら副賞がついてくるんでしょ?』と言ってたわけじゃないですか。優勝しようがしまいが副賞を持っていれば(ベルト挑戦の)チャンスあるよね?というところはある」と話していたからだ。

 後藤は1日の大阪大会でIWGP王者のオカダを撃破。「三段論法」になるが、その後藤に勝った中邑にしてみれば、これで両王座の挑戦を主張できる立場になったということ。「今は丸腰だから、近い方に手を伸ばすよってハナシ」とまずはIC挑戦を優先しそうな雰囲気だが、15日の両国大会オカダ戦にも勝てば、IWGP挑戦権も確実なものとなる。中邑は両王座を虎視眈々と狙っている。