<新日本プロレス「G1クライマックス」福岡大会Aブロック公式戦(29日)>前IWGP王者のAJも、内藤哲也(33)に敗れてまさかの連敗となった。

 オーバーヘッドキックで勝機を見いだしたAJだったが、続いて狙ったブラディサンデーは不発。最後は新技デスティーノ(後方宙返り式リバースDDT)に沈められた。この日の「フェノメナール」は明らかに精彩を欠いていた。

 異変の原因は、ダイナミックなファイトを支える右ヒザにある。AJはこの日、同箇所をテーピングで固定し神妙な表情で会場入り。試合中も右ヒザをしきりに気にする場面もあった。バレットクラブのあるメンバーによれば、28日別府大会の6人タッグ戦で、スワンダイブ式フライングフォーアームを着地した際に右ヒザをひねってしまったという。外側靱帯を損傷した可能性が強く、今後の公式戦にも大きく不安を残してしまった。

 Bブロックの中邑に続き、Aブロックでも「2強」と目されていた棚橋、AJにアクシデントが連発するというまさに魔のG1前半戦となった。それでもまだ残り12大会もあるとは…。

「夏男」を巡るリーグ戦は、過酷を通り越し、もはや地獄絵図の様相を呈してきた。