新日本プロレスのNEVER無差別級王者・真壁刀義(42)が、20日札幌大会で開幕する「G1クライマックス」での下克上を予告した。Aブロック唯一の新日プロ管理下シングルタイトル保持者にもかかわらず、大会メーンの公式戦がわずか1試合しかないことに不満が爆発。持ち前の雑草魂に火がついた。

 アゴの負傷が完治せずに強行出場した昨夏G1で不完全燃焼に終わった真壁は今年、NEVER王者として堂々の参戦。優勝に向け好コンディションを維持しているが、本番直前になって怒りが頂点に達している。

 AブロックにはNWA王者・天山広吉がエントリーしているものの、真壁は唯一の新日プロが管理するベルト保持者。にもかかわらず、真壁がメーンに登場するのは1大会(8月11日、後楽園)のみ。勝ち点状況で試合順が決定する最終戦(8月14日、両国)を除く計8大会の公式戦中、最多6大会でメーンを務める棚橋に“主役”の座を明け渡している。

 王者でありながら“下馬評”では復活を期す棚橋弘至やAJスタイルズの後塵を拝する格好。「昨日の会見でも、俺様への質問が一つもありゃしねえ。それが現実だとして、ふざけんじゃねえって話だよな。気に入らねえ」と憤慨している。無冠にもかかわらずスポットライトを当てられている棚橋やAJに対しては「テメーらなんか名前ねえんだから自重しろって話だ。誰がテメーらのことなんか知ってるんだ」と罵詈雑言を並び立てた。

 もちろん真壁も、現在の新日プロにおいてIWGPヘビー、インターコンチネンタル王座の「2大王座」が確立されていることは百も承知。それだけに今回のG1を通じてNEVER王座の価値を高めるつもりでいる。

 2大王者と別ブロックのAブロック内でさえ軽視されている状況は、これ以上ない屈辱。それなら結果で見返すしかない。そもそも2009年大会での初制覇は、真壁の真骨頂でもある「雑草魂」が実を結んだものだった。

「この生き方を改めて思い出させてもらったよ。感情を強いて言うなら『G1をもう一度』しかねえよな」。王者としての誇りをあえてかなぐり捨て、真壁が6年ぶりの頂点へ上り詰める。