異色合体からラストマッチへ――。ミスタープロレス・天龍源一郎(65)の引退ロードが正式に決まった。8月23日のDDT東京・両国国技館大会では、昨年の東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞新人賞・赤井沙希(28)と最初で最後のタッグを結成。11月15日に“第2の故郷”ともいえる両国国技館で最終興行「~天龍源一郎 引退~革命終焉 RevolutionFINAL」を開催する。39年の熱きプロレス人生は注目の“聖地連闘”で完全燃焼だ。

 天龍はラストマッチ前の8月23日にもDDT参戦で“相撲の聖地”国技館凱旋を果たす。すでに参戦は発表されていたが、当日は6人タッグ戦に出場することになった。


 そのパートナーとなるのがDDT・高木三四郎社長(45)と赤井だ(対戦相手は未定)。デビュー2年の節目の大会で天龍との初共闘が実現する赤井は「引退までの貴重な、数少ない試合で、両国のリングに一緒に立てるのは光栄です。天龍さんは私の試合を見たことがないかもしれないので、真剣にプロレスに取り組んでいるなと思ってもらえるように頑張ります」と気を引き締めた。


 まさしく異色の組み合わせ。だが、決して唐突なものではない。天龍は3月から本紙で赤井との“接触”を熱望。昨年のプロレス大賞新人賞を女子選手として初めて受賞した赤井に対し「頭の回転が速い選手だと感心していた」と発言。赤井が元ボクサーで俳優の父・赤井英和(55)と組み、天龍は愛娘の紋奈さんと組んでの父娘タッグ対決までぶち上げるほど高く評価していた。


 プロレス会場での初遭遇となった4月25日のニコニコ超会議プロレス(千葉・幕張メッセ)では、試合を終えた天龍に赤井があいさつ。ところが、天龍からの滑舌の悪い返事を聞き取れずに「え?」と聞き返してしまったため、本気ビンタを浴びる“事件”も…。


 もっとも「顔面殴打事件」も発奮材料に、いつか天龍と同じリングに立つことを目標にした赤井にとっては、両国でのトリオ結成はこれ以上ない吉報だ。「もちろん味方だからって安心して気を抜いてたらまた殴られるかもしれへんから、気は抜けないですね。同じコーナーからの指示も集中して聞いてないと。また『え?』って言ってしまったら…」と自らを戒めつつ、目を輝かせた。


 一方、天龍も異色合体に「(赤井英和の)遺伝子がどんなものか、体感できるのが楽しみです。東スポに記事が載って、(それを実現させる)高木三四郎社長はさすがだなと思いますよ」と話し、腕をぶしている。赤井のプロレス人生において大きなターニングポイントになると同時に、天龍の引退ロードの中でも刺激的な一戦となることは確実。ミスタープロレスと業界の新ヒロインの最初で最後の共演が、DDT両国決戦を魅了する。

<天龍源一郎引退ロード>

第12戦 6月30日大日本プロレス
(北海道・札幌テイセンホール)
第13戦 7月27日天龍プロジェクト
(東京・新木場1stRING)
第14戦 8月9日九州プロレス
(福岡・博多スターレーン)
第15戦 8月23日DDT
(東京・両国国技館)
第16戦 8月30日大日本プロレス
(愛知・名古屋国際会議場イベントホール)
第17戦 9月2日天龍プロジェクト
(東京・後楽園ホール)
第18戦 9月13日ゼロワン
(新潟・佐渡市相川町民体育館)
第19戦 10月4日フリーダムズ
(岩手・一関総合体育館ユードームメインアリーナ)
第20戦 10月5日 フリーダムズ
(秋田・大館市民体育館)
最終戦 11月15日 天龍プロジェクト
(東京・両国国技館)