全日本プロレスの3冠ヘビー級王者・曙(46)に25日、創設者の故ジャイアント馬場さん夫人で取締役相談役の馬場元子さん(75)から、馬場さん愛用のキャデラック(約600万円相当)が贈呈された。

 馬場さんとキャデラックの縁は深い。ライバルで盟友だった元WWWF(現WWE)王者のブルーノ・サンマルチノ(79)からプレゼントされたことをきっかけに、全日本旗揚げの1972年から亡くなる99年まで愛用した。

 和田京平レフェリー(60)によると、数台乗り換えたものの、プレゼントされたものと同じ「クリーム色の車体&革張りの屋根」にこだわったといい、曙に贈呈されたのも同じデザイン。98年5月に登録され、ナンバーは「16文キック」にちなんで「16」だ。

 元子さんは「私が思うチャンピオンはみんな大きい。早くこういう(曙のような)人が出てきてほしかった」と顔をほころばせた。キーを受け取った曙は運転席に座ると「最高! 今探してもこんな車はない。毎日磨くから練習が少なくなる」と冗談めかしながらも大感激の様子だった。

 実は過去にも、譲渡の話はあったというが「馬場さんに申し訳ない」と断ってきた曙。だが、元子さんから馬場さんの思い出話を聞くうち、次第にその愛車に乗りたい気持ちが高まっていった。

「取締役」「ベルト」に続いて馬場さんと3つ目の接点を手に入れた元横綱。王道マットの象徴となるべく、防衛ロードをまい進する。