C型肝炎の疑いで2013年5月から約1年3か月欠場していた大日本プロレスのアブドーラ小林(38)が再び欠場することが16日、発表された。BJW認定デスマッチヘビー級王者は団体史上最大のイベント東京・両国国技館大会(7月20日)で伊東竜二(39)の挑戦を受けることが決まっているが、最悪の場合、選手生命の危機も浮上している。

 この日の会見によると、大日本は5月28日の後楽園ホール大会前、団体主導の定期血液検査を実施。小林のみC型肝炎ウイルスに関係する「HCV抗体」で陽性反応が出たため、15日に再度、より精密な血液検査を受診した。その結果が29日午前に判明するといい、今回は大事をとって同日まで欠場を決めたという。

 小林は「医者からは『ウイルスが抜けても抗体検査では陽性が出るパターンもある』と言われていたので、最悪の事態は考えていない。臨時休暇だと思いたい」と前を向くが「復帰してから精神的にもタフになったと思っていたが、正直、ビビってます。寝ても2時間おきに目が覚めるし、一日がたつのが遅い…」と時折弱々しい表情も。

 検査結果が良好の場合は、30日の北海道・札幌大会から出場の予定だ。長期欠場は避けられそうな見込みだが、血液感染するC型肝炎はデスマッチ王として“致命傷”。現役引退の可能性もゼロではない。

 デスマッチ王は「毎日がプレッシャーとの闘い。酒におぼれそうです」とうつむいた。両国進出は大日本旗揚げ20周年で実現した悲願。生え抜きメンバーの小林にとっても、ようやくたどり着く夢舞台だ。今は朗報を待つばかりだが、防衛戦に“黄信号”が点灯したのは間違いなさそうだ。