わずか15日間で5冠王から陥落した全日本プロレスの世界タッグ王者・潮﨑豪(33)が31日、巻き返しと世代交代への再挑戦を誓った。

 宮原健斗(26)とのコンビで王座を保持する潮﨑は、この日の大阪大会でゼウス(33)、ボディガー(46)組の挑戦を退けて初防衛に成功。パワーでは明らかに地元・大阪の声援を背に受けた挑戦者組が上だった。しかし潮﨑がノータッチトペをゼウスに決めると、王者組にペースが移る。このチャンスを逃さず、宮原が超滞空式、シャットダウン式(ダルマ式)ジャーマンと連続でボディガーを投げ付け逆転防衛を果たした。

 潮﨑は「今日は健斗のおかげ」とパートナーをねぎらったが、世界タッグを落とせなかったもう一つの理由がある。それは5冠王への再挑戦だ。5・21後楽園大会では曙(46)に敗れ、3冠王座を明け渡した。「5冠王は長続きしない」というジンクスを払拭し、若い世代で「新しい全日本を作る」ことに使命を感じていた潮﨑だが、5冠が保持できたのはたった15日間だった。

「俺が、3冠ベルトを巻いて何が残せたかというと正直疑問だよ…」と前置きしながら、潮﨑は「秋山、大森というジャイアント馬場さんの全日本の流れをくむ選手と防衛戦をやりたかった。そこを乗り越えないと『俺たちの全日本』は見えてこない」と、旧世代の象徴でもある秋山準社長の名前を出して唇をかんだ。

 2度の防衛で退けたのは、同世代のゼウスと宮原。そしてベルトを明け渡したのは、くしくも一世代上の元横綱だ。「もちろんまた5冠を狙う。こつこつまた実績を積んで絶対返り咲くよ」。秋山からは新生全日本スタート時から、世代交代の必要性を叫ばれてもいる。次こそ5冠王者として“秋山超え”を果たす覚悟だ。