帝王・髙山善廣(48)が29日、GHCヘビー級王者・鈴木みのる(46)に制裁を加えることを誓った。みのる率いる鈴木軍が方舟マットで猛威を振るうなか、髙山は30日の東京・ディファ有明大会からノア軍の一員として本格抗争に参戦する。盟友だったみのるへの怒りをあらわにし、あえて対角線上に立つことを決めた真意とは――。

 4大GHC王座を奪われ、反撃の糸口すら見つからないノアに頼もしい男が加わる。3月21日までは爆破王として電流爆破のリングに専念していた髙山だ。30日の有明大会から、対鈴木軍の助っ人メンバーに加わった。

 みのるとはかつて「真猪木軍」の仲間として新日本プロレスのIWGPタッグ王座を獲得するなど、各団体で暴れまわってきた。

 にもかかわらず今回、髙山は対峙する道を選択した。その理由を「ノアを占領したとかは、どうでもよかった。けど、三沢(光晴)さんのことにイチャモンつけたでしょ? あれが許せなかった」と説明した。

 みのるは三沢さんの七回忌興行(6月13日、広島グリーンアリーナ)に向けても、挑発的な言葉を放ち続けている。これが帝王の逆鱗に触れたのだ。

 三沢さんには恩義がある。2000年8月のノア旗揚げメンバーに参加するも翌年、フリーになった。参戦した総合格闘技「PRIDE」とのテレビ局の問題があったからだ。だが、当時の三沢さんは「フリーになっても、うちのレギュラーメンバーに変わりない。安心して行ってこいよ」と声をかけてくれた。

 だからこそ“ノア愛”は強く「鈴木みのるは王様を名乗っているけど、あの“王冠”を奪って笑ってやりたい」と燃えているのだ。

 24日には7年ぶりにメキシコ遠征を行い、AAA主催の「LUCHA LIBRE WORLD CUP」(メキシコ市のパラシオ・デ・ロス・デポルテス)に出場。アルベルト・デル・リオのリングネームでWWEヘビー級王座を巻いたこともある「ドス・カラスjr」ことエル・パトロン(38)と対戦した。伝説のドン・フライ戦をほうふつとさせる殴り合いをして闘志をよみがえらせた帝王が、いよいよ鈴木軍退治に臨む。