V3に一直線だ。全日本プロレス21日の後楽園ホール大会で曙(46)と3度目の防衛戦を行う3冠ヘビー級王者の潮﨑豪(33)が10日、埼玉・川口大会で元横綱をフォール。決戦へ弾みをつけた。

 この日、王者は宮原健斗を、挑戦者は大森隆男を従えて出陣。開幕戦(6日、後楽園)で脇腹を痛めた潮﨑は、腹部をテーピングでグルグル巻きにする悲壮な姿でリングに立った。

 もちろん、これを挑戦者が見逃すはずがない。曙は場外戦を仕掛けると鉄柵、鉄柱に王者の脇腹を打ち付ける。リング上でもロープをつかんで反動をつけてのフットスタンプなど、非情な集中攻撃で今年のチャンピオン・カーニバル覇者の勢いを見せた。

 潮﨑は苦悶の叫びを上げ続けたが、宮原のヒザ蹴りのアシストからのローリングケサ斬りラリアート3連発で逆転。元横綱の巨体をなぎ倒すと、最後は豪腕ラリアートで3カウントを奪取。シリーズ初の前哨戦で最高の結果を出した。

 試合後、潮﨑は脇腹を押さえながらも「俺は常に万全のつもりなんで、こういう攻めを受けるのは想定内!」と王者らしく強気に語った。この日は不発に終わった必殺技・ゴーフラッシャーについて「想定外! あと2回、前哨戦(13日・福島、17日・秋田)があるから必ず2回決める。そして曙選手の首を刈ります」と断言。前哨戦すべてで210キロの巨体を投げ捨てると予告した。

 世界タッグ王座と合わせて現在5冠王の潮﨑。曙を完全に叩きのめして、新時代の確立を証明する意気込みだ。