【キルギス2日発】IGF総帥のアントニオ猪木氏(72=「日本を元気にする会」最高顧問)がボクシングの元WBA世界ライト級王者、オルズベック・ナザロフ氏(48)と20年ぶりに再会した。

 猪木氏は当地のイシククル湖で開かれる「キルギス・シルクロード国際マラソン」のスターターを務めるため、4月29日に日本を出発し、トルコ経由でキルギス入り。これを呼びかけたのがナザロフ氏だった。

 ナザロフ氏は1989年、猪木氏のスカウトで勇利アルバチャコフ(48)ら旧ソ連選手とともに来日。「ペレストロイカ・ボクサー」の一員として協栄ジムの門を叩いた。93年、WBA王座を奪取し、キルギス初の世界チャンピオンになったナザロフ氏は国民的英雄となり、国会議員にも当選した。

 ナザロフ氏は網膜はく離で片方の視力を失いながらも現役時代と変わらぬ存在感で〝恩人〟猪木氏を熱烈に歓迎。初のキルギス訪問となった猪木氏も「アウトボクシングが得意な選手だった」と振り返りつつ、旧交を温めた。またキルギスはレスリングやボクシングなど格闘技が盛んとあって、猪木氏は「スカウトをしていこうか。ムフフッ」と新戦力発掘にも興味を示した。

 猪木氏は帰国後、5日の「GENOME—1」(大阪府立体育会館)に来場し、報告を行う予定だ。