全日本プロレスの暴走専務・諏訪魔(38)が1日、まさかの“参謀”をつけた。かつて新日本プロレスのフロントとして手腕を振るった上井文彦氏(61)と緊急合体を果たしたのだ。IGFとの対抗戦交渉が暗礁に乗り上げるなか、今後は上井氏を全日本側の交渉役とする方針。野獣・藤田和之(44)との一騎打ち実現に向け、新展開を迎えた。

 諏訪魔はこの日、都内でスーツ姿の男と長時間の会談を持った。その相手が驚きだ。新日本プロレス時代にG1クライマックス両国7連戦や総合格闘技大会などを手がけ、その後はビッグマウス、上井ステーションをプロデュースした上井氏だった。同氏は2007年12月を最後に表舞台から姿を消していた。

 会談後、諏訪魔は「IGFのことを上井さんに任せることにした」と説明。4月18日の全日本・大阪大会後に対面し、急接近するに至ったという。諏訪魔にとっては、最後の頼みの綱になる。今年に入り全日本とIGFは3回、交渉の席についた。だが「難航してる。正直、決裂寸前。俺は当たり前のことを言ってるんだけど、向こうはワガママを言うし…。最大のネック? 臆測だけど向こうのプライドじゃないかな。馬場、猪木という2大巨頭が交じり合わなかった歴史があったから」と明かすように、いまだ進展がない。有力視された5日のIGF大阪府立体育会館大会出場も絶望的だという。

 それでも「一レスラーとして藤田和之と試合がしたい。1年前に(チャンピオン・カーニバルで)向き合って、俺も追求している強さがにじみ出ていたし、触れたい気持ちがあった。歴史を取っ払い、ファンが見たいものを実現すべき」という思いから、上井氏に託すことにした。

 その上井氏は「久しぶりにケンカしているなと思った。俺はケンカが好きだから、これはやるべき。スタートラインにつかせたい」と引き受けた。新日プロではIGF総帥・アントニオ猪木氏の“参謀”役を務めたこともある。サイモン猪木IGF取締役とは以前からラインがあり、さっそく2日に直接会談する予定だ。“劇薬”の投入により、停滞ムードは打ち破られるのか――。