29日のDDT東京・後楽園ホール大会で行われたKO―D無差別級選手権試合で、王者の飯伏幸太(32=新日本・DDT)が挑戦者のHARASHIMA(年齢非公表)に敗れ、2度目の防衛に失敗。王座から陥落した。

 2月15日のさいたまスーパーアリーナ大会で飯伏がHARASHIMAからベルトを奪取してから、わずか2か月半で再び実現した頂上対決。静かな攻防で幕を開けた試合が動きだしたのは14分過ぎだった。

 飯伏が場外本部席からのムーンサルトダイブを仕掛け、一気に勝負に出た。トドメとばかりにコーナーからフェニックススプラッシュを発射。だが、これを挑戦者に寸前でかわされると、後頭部に強烈な蒼魔刀(ダブルニーアタック)を浴びてしまう。これで大ダメージを負った王者は、起死回生のフェニックスプレックスも阻止され万事休す。最後はスワンダイブ式の蒼魔刀に沈み、2月とは真逆の結果となった。

「悔しい。KO―Dを巻いているうちに夢を実現したかったのに…」と飯伏はガックリ肩を落とした。新日本1・4東京ドーム大会のIWGPインターコンチネンタル王座戦(対中邑真輔)を皮切りに、今年のタイトル戦はこれが5戦目。しかも初優勝した新日本「NEW JAPAN CUP」などシングルの過酷スケジュールが続き、2団体所属の影響がモロに出た形となった。

 人気も沸騰し、4月はテレビ出演などでほぼオフなし状態。さすがのゴールデンスターも疲労の色を隠せなかった。それでも「これで自由度が増しました。あとは好き放題やらしてもらいます」。必死に前を向いた飯伏に休む時間はない。